PR
全1673文字
子供のころに誰もが憧れたドラえもんの「ひみつ道具」は、いつの日に、どんな形で現実になるのか。日経コンピュータの創刊1000号を記念し、大胆予測した。愛犬との会話や透明人間なども決して夢ではない。AIが人の能力を超えるとされる2045年までには実現する可能性のある5つの道具を紹介しよう。今回は「動物語ヘッドホン」について取り上げる。

 ドラえもんのひみつ道具「動物語ヘッドホン」は装着すると動物の言葉が分かるようになる。原作にはのび太が拾ってきた犬の話を聞く様子などが描かれている。

©藤子プロ・小学館
©藤子プロ・小学館
[画像のクリックで拡大表示]

 動物の感情を理解できれば、人はもっと動物に愛着を持ちやすくなる。ペットとの生活は今以上に素晴らしいものになるだろう。駆除を伴わない鳥獣被害対策が取れるなど、野生動物にとってもメリットが生まれる。

 あらゆる動物と会話する技術の実用化は10年以上先になりそうだ。まずは動物がどんな方法で感情を表現するかを調べる必要がある。だが一部の動物は既に実用化が見えてきた。

 例えばカラスの言葉を理解したうえで、鳴き声を使ってゴミ捨て場などにカラスが集まることを防ぐ装置が「CrowController(クロウコントローラー)」だ。「警戒」や「威嚇」「求愛」「仲間の存在確認」など、カラスがコミュニケーションにおいて鳴き声を重視する習性を利用した。

 装置に内蔵した赤外線センサーでカラスを検知すると、カラスに危険を伝える鳴き声を流す。この鳴き声はあらかじめ録音しておいたものだ。それを聞いたカラスは危険を感じ、その場を飛び去るという仕組みだ。栃木県宇都宮市内で検証したところ、1年以上カラスを追い払うことに成功した。

CrowController(手前)とカラス型ロボット(左)
CrowController(手前)とカラス型ロボット(左)
[画像のクリックで拡大表示]

 「対話を通じて鳥獣被害の軽減につなげる」と、開発に当たったCrowLabの塚原直樹社長は話す。鳴き声でカラスを任意の場所に誘導するなどより高度なコミュニケーションも試みている。意思疎通を図りやすくするためカラス型ロボットも開発した。

 動物の鳴き声は人間の言語と違って人が読める「辞書」がない。理解するにはまずデータの蓄積と意味の解釈が必要だ。

 現在はデータ収集が中心だが、AI(人工知能)の活用によって研究が大きく進みそうだ。鳴き声の特徴を学習させたAIを使って効率的にデータを集めたり、専門家しか分からないような鳴き方の違いを判別したりできる可能性がある。「5年もすれば代表的なカラスの鳴き声を翻訳できるツールを実現できるだろう」(塚原社長)。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

日経クロステック登録会員になると…

新着が分かるメールマガジンが届く
キーワード登録、連載フォローが便利

さらに、有料会員に申し込むとすべての記事が読み放題に!
有料会員と登録会員の違い