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子供のころに誰もが憧れたドラえもんの「ひみつ道具」は、いつの日に、どんな形で現実になるのか。日経コンピュータの創刊1000号を記念し、大胆予測した。愛犬との会話や透明人間なども決して夢ではない。AIが人の能力を超えるとされる2045年までには実現する可能性のある5つの道具を紹介しよう。今回は「着せ替えカメラ」について取り上げる。

 就業後に会社を出たらスーツから好みのデザインのカジュアルな服にサッと着替えたい―― 。こんなことを思った経験はないだろうか。ドラえもんのひみつ道具で言えば「着せ替えカメラ」の世界だ。気に入ったデザイン画や写真を本体に入れて、着せたい人に向けてシャッターを切ると着せ替えできるカメラである。本物の服の着せ替えは10年以上先になりそうだが、AR(拡張現実)とAI(人工知能)を使った仮想空間の中なら実現しつつある。

©藤子プロ・小学館
©藤子プロ・小学館
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 代表例がITベンダーのネクストシステムが開発した「Kinesys」だ。Webカメラとモニター、着用したい服の画像を使って、画面の中で好みの服を着せ替えできるシステムである。

 kinesysはもともとモニターに広告などを表示するサイネージシステムだが、モニターに写った人の動きに合わせて服を動かす仮想試着機能「Virtual Fashion 2.5D」を備えている。Webカメラの前に人が立つと、事前に登録した服を人物にぴったりのサイズに調整して合成する。人の動きに合わせてリアルタイムに服も動く。手を左右に広げれば、服の袖が持ち上がる。