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本記事は、日経NETWORKの過去記事を再掲載したものです。

 ネットワーク技術の進歩は著しく、常に最先端のものが生み出され続けています。それを実現する努力もまた、並大抵のものではありません。そうした行動や思いは、しばしば技術者の言葉に「造語」などとして表れます。

 筆者が技術者の思いを感じた造語は、ONS(Open Network Summit)で米グーグルが行った講演のなかにありました。シリコンバレーで開催されたONS 2012のグーグルのウルス・ホルツル氏による講演は、ネットワーク業界に身を置く私には大変衝撃的な内容でした。その内容は、グーグルが世界中に分散する自社データセンター間をつなぐ高速・大容量ネットワーク(G-Scale Backbone)にOpenFlowを活用したSDN(Software Defined Network)を全面的に適用し、2011年頃から本格運用しているというものです。

 我々ネットワーク関係者の多くは、「SDNはデータセンター内ネットワーク向けの技術」とこれまで考えていました。ところがグーグルは2010年以前から、データセンター内ではなく、データセンター間をつなぐグローバルな広域網(WAN)にSDNを適用する利点を見いだし、対応機器やソフトウエアの開発に取り組んできたことが講演のなかで明かされたのです。ホルツル氏はSDNを適用した広域網を“Software Defined WAN”と表現して、SDN適用の動機を【1】のように述べています。

【1】

“Why are we excited about Software Defined WAN, rather than Software Defined Datacenter LAN or Enterprise LAN? <中略> It makes management easier and you can pick the right tools for the job.”

(OpenFlow @ Google - Urs Hoelzle, Google http://www.youtube.com/watch?v=VLHJUfgxEO4&feature=BFa&list=UUHo2uqQqpmE_Cg5b4qiUpUgより引用。以下同)

 SDNを広域網に適用すれば、分散したネットワークの運用・管理・試験を円滑に行うための(ソフトウエア)ツールと連携させることが可能になるというメリットを早くから見いだしていたということです。