全1831文字
本記事は、日経NETWORKの過去記事を再掲載したものです。

 英語のことわざに、「Out of sight, out of mind.」というものがあります。日本語では「去る者日々に疎し」と訳されており、中国の故事に相当します。

 「身近なやり取りがなくなると月日がたつにつれ忘れられ、縁遠くなってしまう」という意味です。3つの言語にこのようなことわざがあるくらいなので、これはグローバルな「人間の性質」なのかもしれません。

 ましてや、めまぐるしいスピードで技術開発やビジネスが進められているシリコンバレーの技術者と付き合うときは、このことわざをさらに意識して、こまめなやり取りを心掛けるようにしています。

 IEEE 802委員会など国際会議参加のための海外出張時は、格別な用事がなくても、最近の状況のアップデートを聞くためにパートナー企業を訪問するようにしています。逆に、海外の技術者が来日する際には時間を作ってもらい、面談したり、食事をしたりする機会を作ります。こういったことが、その後のパートナーシップの進展に大きく寄与する場合が多々あるからです。

 例えば【1】は、私が某ベンチャー企業の技術者との間で実際にやり取りしたメールです。名前など多少手を加えてありますがご紹介します。

【1】

[往信]

Hello Bob,

Thanks for your message. Monday evening, Tuesday afternoon, Friday evening are good for me. How about beer?

Seto

[返信]

Seto-san,

I never say no to beer! I will coordinate with my colleague to see if we can do beer Monday evening. I will let you know shortly.

Regards, Bob

 このような短いやり取りで生まれた面談の機会から、新しい会話が生まれ、新しい取り組みを共同で進めることへと発展する場合もあります。

 私がビール好きなので上記のようなお誘いとなりましたが、必ずしも食事の誘いなどでなくてもよいでしょう。短い文章で構いません。英語だからといって尻込みせず、筆まめにすることで、「Out of sight, out of mind.」を避けることができるのです。