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 前回は、技術者出身でミシュラン3つ星レストランのオーナーシェフである米田肇さんが、独自のビジョンを持つことでイノベーティブな料理を作り出したことについて紹介した。今回は、米田さんとの会話の中から、料理人と技術者、専門性と多様性、日本企業とイノベーション、食とテクノロジー、仕事と読書に関する幅広い話をピックアップして紹介する。米田さんの体験は、技術者にとっても参考になるところが多いのではないだろうか。

技術者出身のミシュラン3つ星レストランのオーナーシェフである米田肇さん
技術者出身のミシュラン3つ星レストランのオーナーシェフである米田肇さん
(出所:HAJIME)
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技術者と料理人

技術者の道を続けていれば、今はどのようになっていたと思いますか。

米田さん  良い技術者になれたのではないかと思います。ただ、今のような発想ができていたかというと、たぶんできていなかったでしょう。日本の会社はしがらみが多く、自由さが足りません。料理人になったとき、自由度がすごく上がったと感じました。

逆に、高校卒業から直接料理学校に入っていたら、今はどのような料理人になっていたと思いますか。

米田さん  恐らく普通の料理人で終わってしまっていた可能性が高いと思います。料理だけならば、その才能が突出していなければなりません。1万人に1人という存在になることは非常に難しいです。しかし、100人に1人の存在であれば、努力すれば可能です。2つの分野で100人に1人の存在になれば、それらの掛け合わせで1万人に1人の存在になれます。つまり、異なる分野の体験と融合が大事だと思います。

 自分は純粋な料理人をやっているという感覚は薄いです。技術者出身で他の料理人とは違うところが出てきます。違う視点でこの業界を見ることができるようになりました。

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