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 インターネット上では新しいキーワードや、昔からあったがこれまであまり話題になっていなかったキーワードが突如として注目を集めることがある。忘れ去られるのもまた早い。事業企画の視点では、短期的な流行に惑わされず、数年後の新事業につながる「きざし」を見つけ出す必要がある。

 そこで、今話題になっているキーワードの盛り上がり度合いを指標化する日本経済新聞社のプロジェクト「NOBLY(ノブリー)」のデータを用いて、新事業につながりそうなきざしを探ってみた。

 類似の取り組みやシステムは「Twitterトレンド」「Googleトレンド」など多数あり、それぞれに特性がある。例えばTwitterトレンドはTwitter上の超短期的なキーワードをランキング集計している。日曜日夜はNHK大河ドラマの登場人物やセリフが上位を占めるなど、あるキーワードが瞬間的かつ周期的に浮上する傾向が極めて強い。

 NOBLYは数週間~数カ月程度の中期的な盛り上がりを捉えることを目指している。元データとしているのはインターネット百科事典「Wikipedia(ウィキペディア)」の閲覧数などである。曜日による周期性を取り除いたうえで、数週間前と比べた増加を重視する形で指標化してランキングとして集計する。

上位にはスポーツ関連のキーワード

 今回はNOBLYの2021年9月分の集計結果から、技術・経営分野に役立つ注目キーワードを発掘してみたい。まず、ベスト20を示す。

「NOBLY」による2021年9月の注目キーワードベスト20
「NOBLY」による2021年9月の注目キーワードベスト20
(出所:日本経済新聞社)
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 前月である8月に開催された高校野球に関連する固有名詞が目立つ。私事ながら、筆者は奈良県の「智辯(智弁)学園高等学校」出身である。8月29日に甲子園球場であった決勝戦が、姉妹校である和歌山県の「智弁和歌山」との「智弁対決」になったことは大きな話題を呼んだ。それがNOBLYの集計結果にも表れている。

 ただ、このベスト20だけを見ても、世間全体のトレンドが分かるだけで、事業企画のヒントは得られそうにない。もう少し範囲を広げて、上位キーワードを俯瞰(ふかん)すると、新たな発見がある。