建設業界で、常識を変えるドローンが次々と現れている。従来の空撮や測量に加え、水中や管路に潜ってインフラを点検したり、空から地質を見分けたりと、活用の幅は広がる一方だ。仕事を変革するドローンの最新動向を紹介する。

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建設を革新するドローン、その最前線に迫る
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もはや建機、1時間以上飛ぶ驚異のスタミナで橋を補修
北海道内に点在する基地からドローンが飛び立ち、数キロメートル離れた橋に自動で補修材を吹き付けて帰還する――。會澤高圧コンクリート(北海道苫小牧市)が、そんな計画を打ち立てた。もちろん、実現可能と踏んでのことだ。同社が保有するコンクリート二次製品の工場などを基地として活用する。
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忍者さながら、下水管の天井を「走って」点検
直径800mmを超える「中大口径」の下水道管は、一般に人が中に入って点検する。だが、底部に土砂や泥がたまって立ち入れない場所は多い。撤去しようにも、管路の奥まで積もった土砂は大まかな量の把握すら難しい。手探りで土砂を除去しながら点検を進めるしかなかった。
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磁場を操って地質を空から「透視」
ラグビーボールのような形の白い受信機をぶら下げたドローンが山間部に向けて飛び立った。人の立ち入りが困難な険しい山の地下に分布する地質や地下水を、空から「透視」するためだ。用いるのは、電磁気を使って岩石の硬さなどを求める空中電磁探査という手法だ。ネオサイエンス(大阪府泉南市)が機器を開発し、「D-G…
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音波を武器に水面下のインフラ点検に踏み込め
空を飛ぶばかりがドローンではない。近年盛り上がりを見せるのが、水中ドローンの市場だ。従来、ダムや桟橋といったインフラの水中部の点検は潜水士が目視するしかなく、手薄になりがちだった。水中ドローンは、この難題を解決する。
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ドローンの伝道師が仕掛ける橋梁点検の価格破壊
「50万円以下の市販ドローンでも橋は点検できる。予算の少ない自治体でも導入可能だ」。建設業向けに特化したドローンスクール、Dアカデミー(横浜市)の依田健一代表がそう言って取り出したのは、機体の上部にカメラを固定して、前面と上面を同時に撮影できるように改造した汎用ドローンだ。機体は30万円程度、カメ…