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DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する開発チームをどうつくればよいのか――。こうした悩みを抱える企業が今、続々と相談を持ちかけているのが、Pivotalジャパンだ。注目が集まるPivotal流の「DX開発チームの作り方」を解説する。(本誌)

 ソフト開発工程での仕事の流れを紹介しましょう。開発チームが最も生産的に働けるように作業の枠組みを決めています。イテレーションと呼ばれる期間を定め、その枠組みの中で短期の目標を立てて活動します。イテレーションは1週間で、1日の活動時間は午前9時~午後6時です。

 各イテレーションの初日となる週始めの日に、その週でチームが実施する作業内容を決めます。メンバーは常にすぐに話しかけられるよう、物理的に近い場所で働きます。その代わりに、いわゆる「会議」はなるべく少なくします。

 会議を少なくする理由は作業に集中するためです。例えばエンジニアは開発に専念すべきで、チームが生み出す価値に関係がない会議などのタスクに時間を取られるべきではありません。定例の会議は基本的に毎朝実施する15分程度のスタンドアップミーティングだけです。

 実施するタスクは職種によって異なります。具体的にはデザイナーはリサーチやプロトタイプ、エンジニアは開発、ビルド、テストなどを担当します。このうち開発の仕方については後述します。

 1週間の作業を終えた金曜日の夕方には、イテレーションの締めとしてレトロスペクティブ(1週間の振り返り)を実施します。この1週間で達成できたこと、判明した課題などをメンバー間で共有して次のイテレーションに生かすためのミーティングです。時にはビールなどを飲みながら話し合います。これは、メンバーの本音を引き出す狙いがあります。

朝はチームで一緒に朝食

 もう少し細かく、毎日の作業の流れを見てみましょう。

 他の企業では朝遅く出社して遅くまで残業する場合や、その逆もあるでしょう。これに対して、Pivotalではチームが同じ時間に働き、同じスケジュールを守ることを徹底しています。メンバー同士のコラボレーションを重視しているためです。

 午前8時30分ごろにはオフィスで朝食が提供されます、毎日必ずチームで一緒に朝食を取ります。朝食では何気ない会話をしたり、時には議論したりすることもあります。チームの一体感を高める他、雑談の中からメンバーが抱えているリスクの芽を早期に発見する意味があります。

チームの1週間の活動
チームの1週間の活動
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 そして、9時6分になると朝のスタンドアップミーティング(スタンドアップ)を始めます。朝のスタンドアップは2つのパートで構成されています。1つはオフィス全体で行うもの、もう1つはプロダクトチームごとに行うものです。