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 台風19号の大雨の影響で76棟が浸水した宮城県白石市の大鷹沢地区では、山間部の農業用ため池が決壊して被害を拡大した可能性がある。

 市によると、台風が来襲した2019年10月12日夜、地区内を流れる谷津川の上流域にある3つのため池から水があふれ、下流の住宅地に流入。谷津川の越水とともに、浸水の大きな要因になったとみられる。

台風19号の大雨で決壊した逆川上溜池のハザードマップ。他に、山間部の逆川下溜池(紫色の丸印)と長柴山溜池(緑色の丸印)の計3カ所が決壊。山裾の住宅地の浸水被害を拡大したとみられる。浸水したエリアは図の想定区域よりも大きいという。白石市の資料に日経コンストラクションが一部加筆・修正
台風19号の大雨で決壊した逆川上溜池のハザードマップ。他に、山間部の逆川下溜池(紫色の丸印)と長柴山溜池(緑色の丸印)の計3カ所が決壊。山裾の住宅地の浸水被害を拡大したとみられる。浸水したエリアは図の想定区域よりも大きいという。白石市の資料に日経コンストラクションが一部加筆・修正
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 決壊したのは、逆川上ため池(堤高5.8m、貯水量4万5330m3)、逆川下ため池(4.8m、4万1970m3)、長柴山ため池(6.8m、1万2000m3)。3カ所とも市が所有し、日常の維持管理を地元の水利組合や土地改良区に委託している。築造時期は不明だが、地元住民によると大正時代(1912~26年)に遡るという。

 いずれも、決壊すると人的被害が生じる恐れがある「防災重点ため池」に選定されている。最も規模の大きな逆川上ため池を2016年2月に、残り2カ所を19年5月に、それぞれ県が市の推薦を受けて指定した。