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 設計や施工でそれぞれ進んできたCIMを連携させ、事業プロセス全体を効率化する取り組みが始まった。国土交通省は2019年3月、全国で12のモデル事業を選定。3次元データの一気通貫に向けた課題などを洗い出す。甲府河川国道事務所の道路分野での取り組みを紹介する。

監督・検査への3次元活用に挑戦
新山梨環状道路、中部横断自動車道

 道路の建設事業で、調査、設計、施工、管理の各段階のCIM活用事業を網羅しているのが国土交通省甲府河川国道事務所だ。そのうち、設計段階の新山梨環状道路と施工・管理段階の中部横断自動車道が、3次元情報活用モデル事業に指定された。

 新山梨環状道路では、カーブ区間でのドライバーからの視界の確認にCIMモデルを活用。当初の設計ではカーブの先端が見えなかったので、勾配などを変更して安全性を高めた。

 2020年末に全線開通予定の中部横断自動車道では、維持管理にCIMを活用する。トンネル区間では、開通前にレーザー計測で3次元データを作製済みだ(図1)。開通後は、高速で走行しながら計測できるMMS(モービル・マッピング・システム)を利用する予定だ。3次元で履歴を蓄積すれば経年変化が分かりやすく、管理の効率が上がる。

図1■ 維持管理も3次元で
図1■ 維持管理も3次元で
中部横断自動車道のトンネルの定期点検で3次元レーザー計測システムを活用。覆工形状や変状位置の情報を取得した。点検結果の照査や次回以降の点検作業の効率化につなげる(資料:国土交通省甲府河川国道事務所)
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 甲府河川国道事務所が今後、施工段階の事業に取り入れたいと考えているのが、監督や検査への3次元データの活用だ。実際の計測値と設計値をパソコン上でチェックする。「事務所のパソコンで出来形確認すれば、現地への立ち会いを省略できる」と、同事務所の滝澤治工事品質管理官は説明する。品質確認も、現場の作業員に撮影してもらうライブ映像で済ませたいという。

 監督員や検査官が現場に来るまで待たされることがなくなるので、施工者にもメリットがある。不正防止など課題は多いが、現場で試行して問題点を抽出していく考えだ。