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PCIe/NVMe SSDの選択肢が増加

 PCIe対応SSDの選択肢が増えたのも、2019年になってから見られるようになった傾向だ。2018年までは、ハイエンドはPCIe、普及価格帯はSerial ATA 6Gb/sを採用する傾向が高かったが、最近はPCIeを採用しながら比較的安価な製品が増えてきている。

 中にはQLC NANDフラッシュメモリー(後述)を搭載した製品もある。さらにPCIeでもPCIe 3.0x4ではなく、2レーンのPCIe 3.0x2(理論上の上限帯域は約2Gバイト/秒)に対応した製品もあり、PCIe対応SSDは超高速の製品ばかりではなくなってきている。

 なおPCIe対応SSDは「NVMe SSD」と呼ばれることも多い。両者は実質的に同じものを指している。インターフェースがPCIe、PCIeストレージに最適化したコマンドプロトコルがNVMe(Non-Volatile Memory Express)という関係だ。

 過渡期にはPCIe対応SSDでSerial ATAストレージ向けのAHCI(Advanced Host Controller Interface)プロトコルを使っている製品があったが、今ではPCIe対応SSDといえば、ほぼ全てがNVMeプロトコルを利用している。

米ウエスタンデジタルの「PC SN520」の情報をCrystalDiskInfo(ひよひよ氏・作)で表示した。PC SN520はPCIe 3.0x2インターフェースを採用したリーズナブルなPCIe SSDとして、ノートPCでの採用例が多い
米ウエスタンデジタルの「PC SN520」の情報をCrystalDiskInfo(ひよひよ氏・作)で表示した。PC SN520はPCIe 3.0x2インターフェースを採用したリーズナブルなPCIe SSDとして、ノートPCでの採用例が多い
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ウエスタンデジタルの「PC SN520」のベンチマーク結果。CrystalDiskMark(ひよひよ氏・作)で測定した。PCIe 3.0x2なので超高速とはいかないが、Serial ATA 6Gb/sと比べればはるかに高速だ
ウエスタンデジタルの「PC SN520」のベンチマーク結果。CrystalDiskMark(ひよひよ氏・作)で測定した。PCIe 3.0x2なので超高速とはいかないが、Serial ATA 6Gb/sと比べればはるかに高速だ
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 なお「M.2」はフォームファクター(形状)の規格である。PCIe 4.0対応製品含め、PCIe SSDの多くがM.2フォームファクターを採用しているが、M.2 SSDでSerial ATAインターフェースの製品もあり、「M.2 SSD」というだけではインターフェースがどちらかは分からない。

米マイクロン・テクノロジー(Micron Technology)の「Crucial MX500」は、「M.2」と「2.5インチ」両方のフォームファクターが用意されている。インターフェースはどちらもSerial ATA 6Gb/sだ
米マイクロン・テクノロジー(Micron Technology)の「Crucial MX500」は、「M.2」と「2.5インチ」両方のフォームファクターが用意されている。インターフェースはどちらもSerial ATA 6Gb/sだ
(出所:米マイクロン・テクノロジー)
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