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HDDは大容量モデルの低コストがカギ
HDDはPCのメインストレージとしてはほとんど使われなくなった。だが大容量データの保存/管理やバックアップ用途としてはまだ需要がある。ゲーミングPCやクリエイターPCのサブストレージとして搭載されたり、一般用途向けのデスクトップPCにOptane Memoryとの組み合わせで使われたりしている。NASやUSB接続の外付けストレージでも採用例は多い。
ただしSSDの価格下落の影響で、普及価格帯のSSDとの価格差は縮まっている。単体販売価格は、買い得感の高い8TバイトクラスでSSDの6分の1程度といったところだが、1台10Tバイト以上になるとヘリウム充填などの高度な技術が使われていることもあって価格差が縮まる。NAS向けの高信頼性モデルとなると、SSD比の容量単価で3分の1から4分の1程度となり、割安感が薄れてきている。
HDDの1台あたりの最大容量は、2018年は14Tバイトが最大だったが、2019年に米シーゲイト・テクノロジーが16Tバイトモデルを発売している。またウエスタンデジタルが、2020年上半期にエネルギーアシスト技術を利用した20TバイトHDDの投入を予告している。
鈴木 雅暢(すずき まさのぶ)
フリーランスの写真も撮れるライター。旧アスキー、ソフトバンク系列の出版社でIT系雑誌の編集者を経て、2004年にフリーランスとして独立。IT系、特にPCハードウエアの解説記事や製品レビュー、インタビューなどを、雑誌やWebに寄稿している。