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 将来、生き残ることができないと言われてきたエンジン。大きな社会問題となっている地球温暖化の解決策として、エンジンでゼロエミッションを達成する挑戦が始まった。CO2削減の鍵を握るのが熱効率だ。究極の熱効率の実現に向けて進む研究開発の背景を解説する。(編集部)

 エンジンの熱効率向上は、内燃機関で「ゼロエミッション」を実現するための最も有効な手段である─。

 そう考える自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)は、「地球にやさしい内燃機関、究極の熱効率、ゼロエミッションに向かって」というスローガンを掲げて研究に取り組んでいる。産官学を連携して基礎技術の研究を進め、内燃機関の高効率化を推進する。

 排ガスを出さないゼロエミッションから連想されるクルマとしては、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)が挙げられる。確かに、走行中(Tank-to-Wheel)はゼロエミッションである。だが、電気や水素などのエネルギーを生成する際にはCO2を排出する。

 ゼロエミッションの重要性が再認識される背景にあるのが、世界中の多くの国と地域で異常気象による災害が増加していることである。地球温暖化の対策がこれまで以上に急務となってきた。

 地球温暖化の抑制に向けた活動は国や企業の努力目標として進められてきたが、最近になって若者を中心とする個人の存在意義を示す活動として取り上げられるようになってきている。

 2019年9月に米ニューヨークの国連本部で開催された「気候行動サミット」で、スウェーデンの高校生環境活動家のグレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さんが温暖化対策の強化を訴えた演説は大きな反響を呼んだ。

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