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前回は、AICEが目指すモデルベース開発(MBD)やモデル流通の姿とその取り組みについて述べた。今回はモデル流通を実現するための、産学連携による3次元エンジン燃焼解析ソフトウエア「HINOCA」を紹介する。(編集部)

 代表的なエンジンの燃焼開発工程は、大別すると5つの工程(コンセプト検討、詳細検討、単気筒検証A、同B、実機確認)になる(図1)。(1)コンセプト検討は、1次元シミュレーションを活用し、エンジンの出力や燃費等を検討する。検討の結果、エンジン本体(圧縮比やボア・ストローク比など)や吸排気系の諸元、過給機の大まかな仕様が決まる。

図1 エンジンの燃焼開発工程
図1 エンジンの燃焼開発工程
主に、(1)コンセプト検討、(2)詳細検討、(3)単気筒検証A、(4)単気筒検証B、(5)実機確認、で構成する。今回紹介する、解析ソフト「HINOCA」は、詳細検討で使うものである。(出所:AICE)
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 (2)詳細検討では、3次元シミュレーションにより、吸気から燃料噴射、混合気形成、点火、燃焼までを解析する。吸排気ポートや燃焼室ヘッド、ピストンの形状、噴霧諸元(インジェクター仕様)、インジェクターの取り付け位置を決める。ここまでで、各種諸元や形状が決まる。

 次は試作機での評価だ。(3)単気筒検証Aでは、試作期間の低減と現象の把握のために、通常のエンジンではなく、単気筒の可視化エンジンを用いる。狙い通りの混合気形成や燃焼が実現できているかを確認する。問題なければ(4)単気筒検証Bに進む。通常の単気筒エンジンを使い、広範囲な運転条件で確認する。最後の工程が(5)実機確認、となる。

 今回紹介する3次元のエンジン燃焼解析ソフトウエアHINOCA(火神)は主に(2)の詳細検討で用いるものである。