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論理的な文章構成を考える手順
論理的な文章構成を考える手順
いきなり論理的に記述内容を構成するのは難しい。考えながら書くと結論が最後にくる。要素を書き出したうえで図や箇条書きとして構成し、論理性を検討すべきである
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 まずステップ1として、伝えるべきことを書き出す。いきなり結論を明確にするのは、やってみると意外に難しいもの。まして、それを支える論拠を整理するのは簡単ではない。そこで準備として、伝えるべきことをすべて列挙する。

 そしてステップ2として結論と論拠を見いだし、結論を頂点とした論拠のピラミッド構造を構成する。結論を見いだす際のコツは、読み手の顔を思い浮かべ、その人に成り代わって「要は何を言いたいのか?」と自分に向かって問いかけることだ。考えた結論に対して、「だから何?」という疑問を抱くようであれば、再考の余地がある。

 論拠については、取捨選択して整理することが必要だ。同じような内容の論拠を1つに集約したり、グルーピングしたりする。並行して、結論と直接結びつかない論拠や些末な論拠を除外し、重要な論拠に絞り込む。

 最後にステップ3として、論旨構成を検証する。この作業は特に、内容の説得力を高めたい場合に重要だ。結論と論拠が直接結びついているか、論拠のレベル(粒度や重要度)がそろっているか、重要な論拠の漏れがないか──といった観点で検証する。さらに、補足しておくべき情報についても抜き出しておく。

 こうして構成を固めたら、文章や図表の記述に入る。書いていく順番は、結論、論拠1、論拠2、…である。論拠が複数ある場合は、結論を述べたあと「論拠は3つある。1つ目は、…」という具合に、以降の構成を宣言すると分かりやすい。

鉄則 2
意味のあいまいさを排除する

 「作業品質を向上させる」「業務のリスクを低減させる」「帳票を管理する」──。これらの文にはいずれも、読み手の解釈によって意味が大きく変わる言葉が含まれている。「作業品質」「業務のリスク」「管理する」と書かれていても、それらが具体的に何を意味するかは明確ではない駄目なドキュメントだ。

 文章の前後に具体的な説明がない限り、読み手は勝手に推測して解釈することになる。「あいまいな言葉は勘違いや伝達ミスを生む危険要因」(マニュアル作成の仕事を通じて文章作成法に詳しい大手SIerのI氏)である。

 あいまいな言葉は具体的な言葉に置き換えられないか、もしくは具体的な説明を付け加えられないか、考える必要がある。例えば「作業品質」なら、「やり直しが必要となる重大ミスの発生割合」といった具合である。

 また、ドキュメントで使用する重要な言葉については、プロジェクトチームで用語集を作り統一する。ドキュメントのなかで「物流」「配送」「ロジスティクス」といった似た意味の言葉が出てくれば、読み手は作成者があえて使い分けているように考えるものだからである。

 同じ理由で、カギカッコやダブルクオーテーションは、目立たせるためだけなら使わないほうがいい。事前承認、「事前承認」、“事前承認”のように、異なる表現がドキュメントに混在すると、それぞれが違う意味を持つように見える。