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 帝人がRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入で成果を上げている。人事総務や経理財務などの部門にRPAを展開し、作業時間を平均で8割前後削減できた。あえて中央集権の体制をつくり、管理の手が行き届かない「野良ロボット」を排除し、保守・運用性を高めた。

 帝人がRPA導入に動いたのは2017年。同年夏から検討を始め、ツールを選定したり、社内体制を整備したりし、まず人事総務や経理財務部門にRPAを展開。次にマテリアルやヘルスケアといった事業部門に対象業務を広げた。これまでに70業務ほどにRPAを導入した。

 例えば、従業員の残業時間の超過を所属長に対して警告する業務をRPAで代替した。RPAが人事システムのデータをもとに残業時間の上限に関する労使協定(36協定)に違反しそうな従業員を抽出したうえで、上司への注意喚起のメールを作成する。その後、担当者がメールの宛名などを確認し、実際にメールを送信するという流れだ。

 従来は同業務に月19時間かけていたが、RPAの導入によって8割減の月3.8時間まで減らせた。「センシティブな情報を扱うので、間違ってはいけないというプレッシャーが大きかった。RPAの導入で担当者の精神的な負担も減らせた」(帝人の井上匡人業務変革推進室副室長)。

 RPAの導入に当たっては、専門の知見やノウハウを持つIT企業と二人三脚で進めた。実際に5社を検討し、扱えるツールが幅広く、コストも割安だったパーソルプロセス&テクノロジーを選定。ツールは「(対象業務が増えて)スケールアップしても、(コスト面で)それほど重荷にならない」(井上副室長)点を重視し、米ユーアイパス(UiPath)の製品に決めた。

帝人はRPAロボに人事発令を出し、RPAへの抵抗感を和らげた
帝人はRPAロボに人事発令を出し、RPAへの抵抗感を和らげた
出所:帝人
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