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楽天は多くのエンジニアを自社で抱えるという特徴を生かし、現場の事業部にRPAのソフトウエアロボットを開発してもらうことで、全社導入を進めてきた。2020年はソフトの開発数を前年から倍増させる計画で、急速にRPA導入を推進している。

 楽天は2020年12月期までの中期経営計画「Vision 2020」で、「改善活動による生産性向上」を掲げている。その切り札として2017年からRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入を進めてきた。

 「単純業務を自動化することで、従業員がよりクリエーティブな業務に時間を割ける職場環境を目指している」と、楽天の内藤しのぶコーポレート情報技術部プロセス&プランニング課シニアマネージャーは狙いを語る。同社は社内ITを手掛けるコーポレート情報技術部内にRPA導入推進グループを設け、RPAの全社導入を進めてきた。

楽天コーポレート情報技術部RPA導入推進グループのメンバー。写真の右から佐々木良氏、内藤しのぶシニアマネージャー、山原久範氏、小林徹平氏
楽天コーポレート情報技術部RPA導入推進グループのメンバー。写真の右から佐々木良氏、内藤しのぶシニアマネージャー、山原久範氏、小林徹平氏
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 特徴は2つの開発モデルでRPAを展開している点だ。1つは事業部の従業員が自らソフトウエアロボットを開発する「Federated開発モデル」。もう1つはコーポレート情報技術部にロボットの開発を委託する「CoE(Center Of Excellence)開発モデル」だ。

 前者のFederated開発モデルは多くのエンジニアを抱える同社の特徴を生かした手法で、事業部に開発環境を提供しソフトロボの開発を現場に任せる。70以上のサービスを手掛ける楽天は事業部ごとに個別にエンジニアを擁しており、本社だけでもその数は2500人に達する。「豊富なエンジニアのリソースを生かす狙いがある」と、同社コーポレート情報技術部の山原久範氏は語る。

 後者のCoE開発モデルは主にエンジニアリソースを持たない人事や総務、経理などの間接部門を対象にした開発形態で、コーポレート情報技術部が開発を担う。コーポレート情報技術部が間接部門から依頼を受け付け、自動化したい作業についてヒアリングを行いROI(費用対効果)の高い業務を精査しソフトロボを開発する。

チェック工程を入れて品質向上と統制管理を可能に

 2つの異なる開発モデルを採用するが、統制を利かせることも欠かさない。Federated開発モデルではすべてを現場任せにするのではなく、リリース以降のタスクはコーポレート情報技術部が引き取るようにした。「リリース前にロボットが開発規則にのっとって作られているかを必ずチェックすることで、品質向上と統制管理を可能にしている」(コーポレート情報技術部の小林徹平氏)。

Federated開発モデルではリリース以降のタスクをコーポレート情報技術部が担う
Federated開発モデルではリリース以降のタスクをコーポレート情報技術部が担う
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