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 次世代にバトンを渡したくても、適任者がいない――。日経アーキテクチュアが設計事務所の主宰者を対象に実施した独自調査では、事務所の存続や継承に関する悩みも聞いた。後継者の育成には一定の時間を要するだけに、主宰者の悩みは切実だ。こうした状況を受け、若手の教育に取り組み始めた主宰者も少なくない。

 事務所の存続や継承について悩みがあると回答した主宰者に、その内容を聞くと、「事務所を存続したいが、後継者がいない」が40%を占めた。次世代にバトンを渡したくても、ままならない状況が浮かぶ。

Q.事務所の存続や継承に関する悩みは?
Q.事務所の存続や継承に関する悩みは?
「事務所を存続したくても後継者がいない」という悩みを抱える主宰者が最も多かった。既に存続を諦め、「いつ事務所を畳むか思案中」を選んだ主宰者も拮抗した(資料:日経アーキテクチュア)
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 一方、「いつ事務所を畳むか思案中」とした主宰者も39%に上り、事務所の継承を諦めた主宰者も少なからずいるようだ。これらに次いで、「事務所の先行きが不透明で新規採用に踏み切れない」を選ぶ主宰者も36%おり、所員を採用すること自体が難しい状況が、ここでも見て取れる。

 自由回答では、知人を通して後継者を探したり、企業との連携を検討したりしていると答えた主宰者もいた。また、新技術や新ビジネスに活路を求める動きもある。「若い世代を確保するため、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などを積極的に取り入れるようにしている」「事務所そのものよりも、現在の仕事から派生する業態や協力会社などを、どのように次の世代へ継承するかを考えている」といった声が代表例だ。

 若手所員にマネジメント関連の研修に参加させたり、中堅所員に事業性を意識して仕事をするよう教育したりすることで、後進の育成を図ろうとする主宰者も少なくない。