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AlphabetやFacebookは何を研究しているのか?

 では、AlphabetやFacebookは、一体どのような研究トピックを対象にこれだけ多くの科学論文を発表しているのでしょうか。そこでまず、両社の2014~18年までの過去5年間の科学論文を、論文が発表されている科学雑誌や会議録など収録物のテーマを参考に、学術分野別に分類してみます。

Alphabet
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Facebook
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図3●AlphabetとFacebookの論文の学術分野(2014~18年)
データソースはScopus(2019年10月23日時点)(出所:エルゼビア)

 結果は、両社ともコンピューター科学(Computer Science)、数学(Mathematics)、工学(Engineering)の分野の論文が多く、この3分野で全体の約70%を占めているという結果になりました(図3)。この点は、世界で最先端のTech企業(テックカンパニー)である両社のイメージからすれば、当たり前とも言える結果に見えます。一方で、社会科学(Social Science)や人文科学(Arts & Humanities)、物理学および天文学(Physics and Astronomy)など、一見、情報技術とあまり関係がないような分野の論文も、合わせて全体の約15%を占めている点が気になります。

 次に、少し高度な分析手法を使って、両社にどのような研究トピックを扱っている論文が多いかを推計してみます。論文の引用関係のネットワーク分析や論文抄録のテキストマイニングなどの技術を使用し、論文数が多い研究トピックを上位5件まで抽出して、それらのキーワードを比較してみます。

表1●AlphabetとFacebookの論文数が多い研究トピックのキーワード(2014~18年)
データソースはScopus(2019年10月23日時点)(出所:エルゼビア)
表1●AlphabetとFacebookの論文数が多い研究トピックのキーワード(2014~18年)
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 結果は、上位3位までのトピックは両社とも共通で、アルゴリズム(Algorithms)、意味論(Semantics)、音声認識(Speech Recognition)などの、情報技術に関するキーワードが抽出されました(表1)。一方で4位と5位のトピックは異なり、Alphabetでは情報分類(Classification Of Information)やデータストレージ(Data storage Equipment)、Facebookではクラウドコンピューティング(Cloud Computing)やソーシャルネットワーキング(Social Networking)などのキーワードが抽出されました。両社の技術やビジネスの強みが垣間見えます。