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多忙なITエンジニアは心身ともに疲労しやすい。ここでは日経SYSTEMSの過去記事を紹介。大切なのが休日における疲労回復だ。不適切な方法で失敗しないように、正しい疲労回復法を学ぼう。

 「飲酒でリラックスする」。これもやってはいけない疲労回復だ。

 人材関連企業のIT部門に勤務するJさんは、社外向けWebサイトのシステム開発を手掛けている。開発プロジェクトが終了した週末になると、「自宅でテレビを見ながらワインを飲んでリラックスすることが多い」と話す。

 計測機器メーカーのKさんも、シビアな品質を求められる組み込みソフトの開発やテストが一段落した休日に、ウイスキーグラスをかたむけて息抜きするのが楽しみだという。

 この2人のように、週末から休日にかけて、飲酒で疲労回復を図るITエンジニアは少なくないだろう。飲み過ぎが体によくないのは一般常識だが、アルコール依存症にならない適度の酒量なら、飲酒することで気分転換になる。実際、適度な量を守って飲酒すれば、疲労回復にそれなりに効果があることは、今回取材した医師は皆、認めている。特に心の疲れに対しては、リラックスした気分になることで効果があるという。

 だが、休日に飲酒でリラックスするのは、必ずしもいいことばかりではないとJさんとKさんは語る。

 例えばJさんの場合、プロジェクトの疲労がピークに達した後の週末は酔いが回りやすく、酒を飲みながらソファーの上で突っ伏して寝てしまうことがあるという。「朝になって目が覚めると体中が痛く、寝不足だと感じる」(Jさん)。

 一方のKさんは、「開発スケジュールが厳しいときなど胃腸にストレスがかかっている状態で休日にウイスキーを飲むと、次の日に腹痛になることが多い」と打ち明ける。

寝付きはいいが眠りが浅くなる

 飲酒による正しい疲労回復法を実践するには、飲酒についてのデメリットを知ることが欠かせない。

 大手ITベンダーで産業医を務める三宅医師は、「アルコールを摂取すると一時的に眠くなって寝付きはいいが、眠りだすと交感神経が優位になり、目を覚ましやすくなる」と説明する。つまり、飲酒によって眠りが浅くなり、十分な睡眠が取れずに疲労回復しづらくなる場合がある、ということだ。

 また、Kさんのように腹痛になることが多い件については、「心の疲労がたまると、胃潰瘍などの症状となって体に表れる場合がある。そんな状態で強い酒を飲めば、アルコール分を消化しきれず、腹痛になることもある」(三宅医師)と話す。

 そこで「個人差はあるが、眠りが浅くならないよう、お酒は二合程度にしておくのがいい。胃を痛めないためには、お酒の前に牛乳を飲んでおくといった方法もある」と三宅医師はアドバイスする。