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※本記事は、『日経エレクトロニクス』2019年7月号に掲載された記事を再構成・転載したものです。記事中の肩書きや情報は掲載当時のものです。

 米国サンノゼで2019年5月14~16日に開催された「SID 2019」の展示会(図1)では2つの技術が注目を集めた。1つは、液晶や有機ELの次に来る技術として期待を集めるマイクロLED。もう1つが、ディスプレーのデザインに革新をもたらす技術だ。

図1 「SID 2019」展示会の会場風景
図1 「SID 2019」展示会の会場風景
展示会は2019年5月14~16日に米国サンノゼで開催。(撮影:日経 xTECH、以下同)
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 マイクロLEDは、太陽光に負けない明るい表示が実現可能であり、4Kや8Kなどの高精細ディスプレーの市場を、屋内から屋外へと広げられる。一方、ディスプレーのデザインに革新をもたらす技術とは、折り畳み(フォルダブル)、巻き取り、透明、立体視などの技術である。平面だけでなく、曲面や空間にディスプレー表示が可能になることから、こちらも市場の拡大が期待できる。いずれの技術もディスプレーにパラダイムシフトを起こす可能性を秘める。

撮影できないほどの高輝度

 マイクロLEDでは、京セラの展示と発表が、参加者の熱い視線を浴びた。ひときわ高輝度、高精細、高画質のディスプレーをブースに展示したからだ(図2)。SIDの展示会と言えば、最近の花形は中国メーカーや韓国メーカーのブースだが、今回の京セラによるマイクロLEDの展示は日本メーカーの存在感を見せつけた。

図2 京セラのマイクロLEDディスプレー
図2 京セラのマイクロLEDディスプレー
特別に写真撮影の許可を得たが、輝度が非常に高く、見たままのきれいな表示を撮影することが困難なほどだった。
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 京セラの開発品は、画面サイズが1.8型で、精細度は200ppiと高く、ドットピッチは127µmと小さい。このサイズと解像度で、1000cd/m2の高輝度、NTSC比117%の広色域を実現した。同社の説明員によると、輝度は3000cd/m2や5000cd/m2に高めることも可能であり、屋外でも鮮明な表示を実現できるという。同社はこの技術の概要をシンポジウムで発表した(論文番号 11.5)。

 このほかシャープがシリコン(Si)基板を駆動用バックプレーンとしたモノリシック型のマイクロLEDディスプレーの試作について発表した(図3、論文番号 25.5)。

(a)1053ppiのカラー
(a)1053ppiのカラー
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(b)3000ppiの青色モノクロ
(b)3000ppiの青色モノクロ
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図3 シャープのマイクロLEDディスプレー
(a)は1053ppiのカラー、(b)は3000ppiの青色モノクロ。写真中の「SHARP」の文字が反転しているのは、ミラーを取り外した状態でデモしており、それを撮影したため。