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※本記事は、『日経エレクトロニクス』2019年7月号に掲載された記事を再構成・転載したものです。記事中の肩書きや情報は掲載当時のものです。(前編

フォルダブル有機ELで競う

 折り畳み、巻き取り、透明、立体視といった、ディスプレーのデザインに革新をもたらす技術については、パネルメーカーから最新の開発品の展示が続出した。世界最大の液晶パネルメーカーの京東方科技集団(BOE Technology Group)、Tianma、有機EL専業のビジョノックス(Visinox)、China Starなどが最新のフォルダブル有機ELパネルを披露した。

 BOEは説明員が7.7型の開発品を手に持って、画像を表示させながら実際に折り畳むデモを実施した(図6)。ディスプレーの画面サイズは7.7型。折り畳んだ状態での片面の表示エリアの大きさは6型に相当する。表示画面を外側にして山折りのように折り畳める。折り畳んだときの曲率半径は5mmである。10万回の折り畳みに耐えられるとする。主なディスプレーの仕様としては、画素数が2480×2160、色域はNTSC比100%、コントラストが10万対1、セット全体の厚さは6.2mmである。

図6 BOEの折り畳み型有機ELディスプレーのデモ
図6 BOEの折り畳み型有機ELディスプレーのデモ
常設している展示品は折り曲げた状態でプラスチックケースの中に入っていたが、依頼すると、これとは別の試作品をテーブル下の収納スペースから取り出し、電源を入れてデモしてくれた。
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 Tianmaは、プラスチックケースの中に入れず、むき出しにして、画像を表示しながらディスプレーを折り畳むデモを披露した(図7)。「自由に触ってもらっても大丈夫」(同社)として、耐久性をアピール。説明パネルには、20万回以上の折り畳みに耐えられることを明示していた。表示画面を外側にして山折りのように折り畳める。折り畳んだときの曲率半径(外径)は5mm。画面サイズは7.41型、画素数はWQHD(1440×3360画素)である。同社は、表示画面を内側にして谷折りのように折り曲げられる有機ELパネルも展示した(図8)。説明パネルには、折り曲げの曲率半径(外径)は5mmとあったが、同社の説明員によると、3mmの実力値を持つという。画面サイズは5.49型、画素数はフルHD(1080×1920画素)である。

図7 20万回以上の折り畳み耐久性をうたうTianmaのフォルダブル有機EL
図7 20万回以上の折り畳み耐久性をうたうTianmaのフォルダブル有機EL
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図8 曲率半径の実力値3mmをうたうTianmaのフォルダブル有機EL
図8 曲率半径の実力値3mmをうたうTianmaのフォルダブル有機EL
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 同社はタッチの強弱の違いを検知できる機能を搭載した、折り曲げ可能な有機ELパネルも展示した(図9)。パネルに内蔵したひずみセンサーを使って、指で画面に強くタッチしたか弱くタッチしたかを見分ける。折り曲げの曲率半径は5mm、画面サイズは6.39型、画素数はフルHD+(1080×2340画素)である。

図9 タッチの強弱を検知できるTianmaのフォルダブル有機EL
図9 タッチの強弱を検知できるTianmaのフォルダブル有機EL
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 巻き取り型は、「CES 2019」などで展示された韓国LGディスプレー(LG Display)の65型有機ELディスプレーの展示に人だかりができた。BOEも12.3型の有機ELディスプレーを展示した。透明ディスプレーについては、先述のマイクロLEDに加えて、China Starによる31型の3D有機ELディスプレーや、28型のポリマーネットワーク液晶(PNLC)ディスプレーなどの展示があった。

 立体視については、ライトフィールドディスプレーの展示が相次いだ。LG Displayが6型有機ELを用いた試作品を展示した(図10)。このほかにも、China Starが22型の開発品を見せていた。

図10 LG Displayの6型有機ELを用いたライトフィールドディスプレー
図10 LG Displayの6型有機ELを用いたライトフィールドディスプレー
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