賃貸住宅市場が大きな転換点を迎えている。不動産テックを駆使した企業が、これまでにないサービスを提案しているからだ。国もIT活用を促すため、法制度の見直しに積極的だ。新シリーズ「不動産テックで賃貸市場を変えるイノベーター」では、独創的なビジネスモデルを解説すると共に、キーマンへのインタビューでデジタル化の狙いや市場への影響などを掘り下げ、令和の賃貸ビジネスに迫っていく。
不動産テックで賃貸住宅市場を変えるイノベーター
目次
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コロナ禍で会員増やした賃貸サブスク、地域の魅力づくりにも一役
「ADDress」ビジネスモデル編
月額わずか4万円で「全国住み放題」という賃貸サブスクリプションサービス「ADDress」を打ち出したアドレス(東京・千代田)。当初フリーランスから火が付いたが、今も続くコロナ禍によって多くの人が住環境を見直す契機となり、一般人も注目する人気サービスとなった。ここでは、ADDressの仕組みを解説す…
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MaaSもからめて移動を支援
「ADDress」インタビュー編(その4)
月額4万円で、全国90余(宿泊施設の連携拠点を含む)の「ADDressの家」を自由に住み替えられる賃貸サブスクリプションサービス「ADDress」。コロナ禍で移動が制限される中で、会員減少の危機を迎えた。だが緊急事態宣言解除前後の5〜6月ごろからは活動が活発になる。さらに、交通機関と連携し、会員の…
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「家守」がADDressの会員と地域の人々をつなぐ
「ADDress」インタビュー編(その3)
月額4万円で「全国住み放題」というサービス「ADDress」を打ち出したアドレス(東京・千代田)。拠点となる「ADDressの家」には「家守」がいる。単なる管理人にとどまらず、地域の魅力を利用者に紹介し、イベントを企画することもある。インタビューの3回目は、ADDressの魅力を高める「家守」につ…
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空き家を「ADDressの家」に、自治体の補助制度も活用
「ADDress」インタビュー編(その2)
月額4万円で全国に点在する拠点を自由に移り住めるサービス「ADDress」。その拠点となる「ADDressの家」は、地方の空き家をリフォームして運営しているものが少なくない。自治体と協力して、補助制度を活用するケースも出てきている。インタビュー編の2回目は、「ADDressの家」の確保の仕方や運営…
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月額4万円で全国住み放題、多拠点居住がコロナ禍で加速
「ADDress」インタビュー編(その1)
月額わずか4万円で「全国住み放題」という賃貸サブスクリプションサービス「ADDress」を打ち出したアドレス(東京・千代田)。当初はフリーランスなど時間の融通の利く層からの支持を得ていたが、コロナ禍で一転。一般ビジネスマンにも広く注目される存在となった。インタビュー編の1回目は、多拠点居住というユ…
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デザインとITとAIで不動産会社の業務を変革
「TATSUJIN」ビジネスモデル編
クラスコ(金沢市)は、IT(情報技術)やAI(人工知能)などを駆使し、不動産会社や賃貸オーナー向けのサービスを次々と打ち出している。これらのサービスをまとめた総合ソリューション「TATSUJIN」は、会員企業の業務効率や生産性向上のみならず、ビジネスの慣習を変える勢いだ。TATSUJINの主要サービ…
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「オーナーや入居者の金銭的ハードルを下げる」
「TATSUJIN」インタビュー編(その4)
不動産会社向け総合ソリューション「TATSUJIN」を提供するクラスコ(金沢市)。賃貸物件オーナー向けのサブスクリプションサービスや、入居者向けの初期費用ゼロのサービスなどの開発に取り組む。クラスコグループ代表の小村典弘氏に、賃貸物件オーナーと入居者の双方に訴求する新たなサービスについてインタビュ…
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「平面から360度カメラの写真へ」、物件の情報量を増やしてユーザーに訴求
「TATSUJIN」インタビュー編(その3)
賃貸リノベーションブランド「Renotta(リノッタ)」を開発したクラスコ(金沢市)は、総合ソリューション「TATSUJIN」で全国500店を超す不動産会社の生産性と提案力の向上をサポートする。再生した物件についてはプロモーションを丁寧に行い、とくにビジュアルの情報量を増やすことに力を入れている。…
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「築50年でも新築に勝てる」、デザインリノベーションを提案
「TATSUJIN」インタビュー編(その2)
築古で競争力の落ちた賃貸物件をデザインリノベーションで再生し、新築住宅にない価値を提供する。クラスコ(金沢市)のリノベーションブランド「Renotta(リノッタ)」は、2012年に全国展開を開始してから2020年3月までに、賃貸リノベーションで500超のフランチャイズチェーン(FC)加盟店を擁する…
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「ないなら自前でつくろう」、社内業務からデジタル化
「TATSUJIN」インタビュー編(その1)
賃貸リノベーションの全国ブランドとして、500超のフランチャイズチェーン(FC)加盟店を集める「Renotta(リノッタ)」。開発・運営するクラスコ(金沢市)は、IT(情報技術)やAI(人工知能)などを駆使し、不動産会社や賃貸オーナー向けのサービスを次々と打ち出している。これらのサービスをまとめた…
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「IT化が20年遅れている」不動産業界のDXに挑む
イタンジ「OHEYAGO」(ビジネスモデル編)
リアルタイムな物件情報を基にウェブ上から物件の内見予約や入居申し込みを可能にしている部屋探しサイト「OHEYAGO(オヘヤゴー)」。運営するイタンジ代表取締役の野口真平氏のインタビューを4回にわたって掲載した。最後に、OHEYAGOの独自性や強みを整理しつつ、賃貸住宅市場への影響について解説する。
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「仲介手数料に頼らない収益の仕組みづくりを」
「OHEYAGO」インタビュー編(その4)
部屋探しサイト「OHEYAGO(オヘヤゴー)」では、仲介手数料を一般的な相場の半額としている。入居希望者の初期費用を抑える狙いだ。サイトを運営するイタンジ代表取締役の野口真平氏は、「仲介手数料に頼らない収益の仕組みづくりを目指す」と語る。
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国の規制緩和を追い風に「電子申し込み市場を取り切る」
「OHEYAGO」インタビュー編(その3)
イタンジ(東京・港)が部屋探しサイト「OHEYAGO(オヘヤゴー)」を開設したのは2019年9月。その翌月から国土交通省が賃貸契約に関連する規制緩和に向けた社会実験を開始した。イタンジはこの社会実験を好機とみて、OHEYAGOをリリースした。同社代表取締役の野口真平氏は、電子申し込み市場のシェア獲…
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「内見はレジャー、最高のワクワクを提供する」
「OHEYAGO」インタビュー編(その2)
イタンジ(東京・港)が2019年9月に開設した部屋探しサイト「OHEYAGO(オヘヤゴー)」。Web上で内見予約や入居申し込みができるオンライン型の仲介サービスとして注目されている。今回は、入居者望者が1人で内見できる「セルフ内見」に着目し、これを可能にした不動産テックについてイタンジ代表取締役の…
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「空室じゃないのになぜ掲載?」顧客に怒られた経験生かし部屋探しサイト開設
「OHEYAGO」インタビュー編(その1)
ホテルや飲食店では当たり前のWeb予約を賃貸住宅の内見に導入した部屋探しサイト「OHEYAGO(オヘヤゴー)」。開発したのは不動産テック企業のイタンジ(東京・港)だ。同社代表取締役の野口真平氏は、「掲載するなら、空室の物件だけにしろよ」と入居希望者を怒らせるのが今の不動産仲介の問題点と指摘する。原…
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「必要なサービスはユーザーに聞く」
「OYO LIFE」インタビュー編(その3)
東京から始まった「OYO LIFE」は半年で全国展開を見据え中京・関西圏でもサービスを始め、法人対応も開始した。事業を拡大する中で、どのような戦略を練っているのか。「OYO LIFE」を運営するOYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN最高経営責任者(CEO)の勝瀬博則氏は「…
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「eコマースの不動産版をつくり上げる」
「OYO LIFE」インタビュー編(その2)
契約はオンラインで完結、敷金・礼金・仲介手数料もなし。賃貸のアパートメントサービス「OYO LIFE」を提供するOYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN最高経営責任者(CEO)の勝瀬博則氏は「eコマースの不動産版をつくり上げる」という。勝瀬氏が考えるビジネスモデルは、従来の…
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入居者のリスクを取り除き、内見を不要に
「OYO LIFE」インタビュー編(その1)
インドのホテルチェーンOYOが日本でヤフーと合弁会社OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPANを設立し、2019年3月から賃貸のアパートメントサービス「OYO LIFE」を開始した。申し込みから契約まで最短で30分というオンラインならではのサービスを提供する。どのような狙いで…
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最短30分で入居手続き完了、オンライン完結により可能に
「OYO LIFE」ビジネスモデル編
不動産テックを駆使した企業が賃貸住宅市場を変えようとしている。新シリーズ「不動産テックで賃貸住宅市場を変えるイノベーター」では、独創的なビジネスモデルを解説するとともに、キーマンへのインタビューでその実像に迫る。シリーズ第1弾は、インドのOYOが日本で展開する「OYO LIFE」に着目した。