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 不動産会社向け総合ソリューション「TATSUJIN」を提供するクラスコ(金沢市)。賃貸物件オーナー向けのサブスクリプションサービスや、入居者向けの初期費用ゼロのサービスなどの開発に取り組む。クラスコグループ代表の小村典弘氏に、賃貸物件オーナーと入居者の双方に訴求する新たなサービスについてインタビューした。

クラスコグループ代表の小村典弘氏(写真:都築 雅人)
クラスコグループ代表の小村典弘氏(写真:都築 雅人)
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賃貸オーナー向けのサブスクリプションサービスも

不動産管理会社にとって「顧客」は、賃貸オーナーでもあり、また入居者でもあるかと思います。

 その両者の顧客満足を通じて、自社の業績を上げていくことが不動産会社には必要だと思います。そう考えると、これからの不動産会社は「オーナーへの提案」、「顧客ニーズ」、そしてニーズに合った「商品開発」がとりわけ大切になると私たちは考えています。

 加えて、一層の賃貸市場の活性化のためには、オーナーと入居者双方に対して金銭的なハードルを下げる必要があると思っており、そうした提案も企画・開発しています。

賃貸オーナー向けに、3つの投資方法によるリノベーション提案なども、そうしたコスト面への配慮ですよね。

 そもそもリノッタは、1室あたり1万5000円からできるリノベーション手法なんです。照明や壁紙を替えるなど、低価格でも他物件との差別化を目指し、早期入居や賃料の維持・向上を目指します。オーナーの費用負担を考慮して、「原状回復に近い工事」「既存の素材を生かしたワンポイントリノベ」「付加価値の高いフルリノベ」と3つのプランを提示しています。

 他にも、工事金額の頭金を0円にするサービスや、FC加盟店がリノッタでリノベーションした賃貸物件については、本部が空室保証する仕組みなどを設けています。オーナーの投資リスクを最小限に抑える空室対策と考えています。当社が賃貸物件を借り受け、サブリースとして賃借人を見つけることもあります。

 それと2019年10月に、賃貸オーナー向けに月々定額でリノベーションが可能なサブスクリプションモデル「Renotta Prime(リノッタプライム)」を試験的に開始しました。これは、オーナーに月3000円負担していただくことで、改修工事を依頼できるというもの。リノベーションによって月額賃料を3000円上げられれば、オーナーの負担は実質ゼロというわけです。2020年1月時点で311室の契約がありました。軌道に乗りそうならFC加盟店にもノウハウを提供していきます。

一方ユーザー向けには、初期費用をゼロにした入居プランを打ち出していますね。

 賃貸住まいをもっと身軽にするためには、初期費用を抑えたい。そこで敷金・礼金など、入居時の初期費用を抑え、入居促進を図る「ゼロ賃」も用意しました。

敷金・礼金・初月家賃を0円にした「3ゼロプラン」、さらに仲介手数料や保証料も0円にした「5ゼロプラン」を用意。月々の支払額は高くなるが、初期費用が抑えられるため、入居希望者の関心をひくシステムとなっている(資料:クラスコ)
敷金・礼金・初月家賃を0円にした「3ゼロプラン」、さらに仲介手数料や保証料も0円にした「5ゼロプラン」を用意。月々の支払額は高くなるが、初期費用が抑えられるため、入居希望者の関心をひくシステムとなっている(資料:クラスコ)
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礼金や仲介手数料等を廃止し、どこで収入を得るのですか。

 ランニングコストとして月額の賃料に少々の上乗せをお願いすることと、最低2年住んでいただくことで薄く回収していきます。早期入居につながりやすいので、空室期間短縮にも貢献します。