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 月額4万円で全国に点在する拠点を自由に移り住めるサービス「ADDress」。その拠点となる「ADDressの家」は、地方の空き家をリフォームして運営しているものが少なくない。自治体と協力して、補助制度を活用するケースも出てきている。インタビュー編の2回目は、「ADDressの家」の確保の仕方や運営方法などについて、アドレス(東京・千代田)代表取締役社長の佐別当隆志氏に聞いた。

アドレス代表取締役社長の佐別当隆志氏(写真:都築 雅人)
アドレス代表取締役社長の佐別当隆志氏(写真:都築 雅人)
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改修は地元の事業者と

全国に点在する「ADDressの家」はどうやって確保しているのでしょうか。また運営の主体は誰になるのでしょう。

 立地の良い地方の民家や空き家、別荘など、一軒家を中心に水回りなどを改修して一定水準の性能・仕様に高めたうえで、「ADDressの家」として運営していきます。当初は、自社で空き家を買い取ってリノベーションし、運営していました。現在はオーナーがリノベーションした物件を借り受け、サブリースの形で新規拠点を開発しています。

「ADDressの家」にするための性能や仕様のようなものはありますか。

 原則は戸建て住宅としています。築年や住宅性能は問いませんが、4室以上確保できること、上下水道が整備されていること(下水道の代わりに浄化槽でも可)、複数人の同時利用に耐えられる電力が供給されていること、給湯器が設置されていることなどを必須条件としています。あと通信インフラとして、どんな地方でも光回線などの高速インターネットは不可欠です。

 一般民家以外でも、先の条件を満たせるストックであれば、ADDressの家として利活用できます。自然豊かなロケーションでなくても、例えば公営団地の1棟や、まちなかの商店街の空き店舗でも構いません。また、既に運営を開始している地方のゲストハウスとも連携しています。

住宅以外のストックもADDressの家として利活用している。写真は商店街の空き家をリノベーションした拠点(長野県・白馬A邸)(資料:アドレス)
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住宅以外のストックもADDressの家として利活用している。写真は商店街の空き家をリノベーションした拠点(長野県・白馬A邸)(資料:アドレス)
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住宅以外のストックもADDressの家として利活用している。写真は商店街の空き家をリノベーションした拠点(長野県・白馬A邸)(資料:アドレス)

リノベーションが前提になるのですか。

 必要な設備がそろっていれば、リノベーションは必須ではありません。既存の家具や家電製品など、使えるものは活用してイニシャルコストを抑えます。リノベーションについては、オーナーの予算などに応じてアドレスがプランやコーディネートを提案。綿密な収支のシミュレーションを行い、オーナーとアドレス双方にメリットとなるよう、契約期間および家賃を提案し、賃貸借契約するという流れです。

空き家の利活用も多いとのことですが、「ADDressの家」の候補となる物件情報はスムーズに入手できるのでしょうか。

 地域の人々からの信頼なしに物件取得や運営はできません。ですので地元の企業とは積極的に交流し、提携やサービス活用で協力し合っています。とくに地域に根差し、空き家対策やまちづくりにも積極的な不動産会社と手を組むなど、地元企業との連携が鍵になります。地元の工務店に施工を依頼するなど、地域に少しでも仕事をつくるという気持ちでいます。