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再訪や移住を促す「つながり」

 ADDressの特徴は「交流型シェアハウス」であること。各拠点に家守と会員、会員同士、会員と地域住人といった、人と人とをつなぐコミュニティーが形成されており、会員がADDressの家を訪れる大きなモチベーションとなっている。その魅力を高める要素として重要な役割を果たしているのがADDressの家の管理人、「家守」の存在だ。

 各拠点では、個性あふれる地域住人が家守として、会員に地域との交流の機会やユニークなローカル体験、地域情報などを提供する。オーナーが務めるケース、地元のキーマンが務めるケース、移住で務めるケースなど、家守のタイプもキャラクターもさまざまだ。

 「どの地域にも面白い人は必ずいる。地域のローカルイノベーターに会うことで、その地域の魅力や面白さを知ることができる。会員は家守を通じて地域をより深く知ったり、つながったりしてほしい」(佐別当社長)。地域や家守のファンになれば、初めて訪ねた街もリピーターとして再訪する場所になり得る。それが1回訪れるだけの観光旅行との大きな違いだ。

 あるいはそうした体験が、その地域に根を張りたいという、移住の動機にもなり得る。佐別当社長も、「ローカルでは、『誰と一緒に仕事をするか』はとても重要。そして地方は『誰かが喜んでくれる』状況がある。今は地方暮らしでも多様な職種が必要とされ、都市で培った職のスキルが地方で生かせる」と、地方で就業しやすくなっていることを指摘する。

 ADDressが目指すのは、都市と地方とでの「人口のシェアリング」だ。「都市に住む」と「地方に住む」は、対立項ではないと佐別当社長は語る。「『都市にも、地方にも住む』を当たり前にすればいい。ADDressで、もっと人の流動性を高めていきたい」

 ADDressは地元の町内会や商工会などとのコミュニケーションを重視している。地域のキーマンにADDressの存在や役割を理解してもらい、一緒に地域づくりを行っていくことが、持続性のある取り組みとなる。地域共同体として、ADDressの存在が、エリア価値を高めていくことを目指している。