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拠点は地域の人とつくる

 ADDressの家の多くは、地域の民家や空き家、別荘などをリノベーションし、運営者であるアドレスが管理している。当初はアドレスが空き家を借り受けて改修していたが、現在はオーナーと一緒にリノベーションプランを検討し、工事後にADDressの家として借り受ける形をとっている。

 また、ADDressの家は住宅に限らず、街の空き店舗などの商業施設を再生するケースもある。地方の多くは、商業施設や店舗など、地元民にとってのスポットが少ない。ADDressの家は、地域にとっても存在感のある場として機能していくことを目指していく。

「ADDressの家」を新規開設するまでの流れ。アドレスが拠点の候補となる物件を内覧後、物件オーナーに必要なリノベーションを提案する。リノベの内容などが折り合えば契約し、実際の工事を経て開業となる(資料:アドレス)
「ADDressの家」を新規開設するまでの流れ。アドレスが拠点の候補となる物件を内覧後、物件オーナーに必要なリノベーションを提案する。リノベの内容などが折り合えば契約し、実際の工事を経て開業となる(資料:アドレス)
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 地方では特に、地域からの信頼なしに物件取得や運営はできない。地域に根ざし、空き家対策や街づくりにも積極的な不動産会社や工務店などと連携してADDressの家づくりは行われる。「ただホテルやマンションをつくるだけでは地域は変わらない。僕たちは地域側の考え方をできる限り大事にしたい。シャッター商店街の空き店舗をリノベーションして無料で開放し、町内会・商工会に入るなどして地域とのつながりをつくり出すことに注力している」(佐別当社長)。地元の企業とも積極的に交流し、提携やサービス活用で協力し合い、地域に少しでも仕事をつくるようにしている。

 最近ではホテルや旅館の1室から数室を「ADDressの家」として提携するなどの動きも出てきた。コロナ禍で本来の宿泊ビジネスがうまく稼働しておらず、空き部屋をアドレスに貸し出してみようとなったわけだ。宴会場やレストランなどがADDress会員の日中の仕事場に変わる。家守はいないものの、部屋や設備の充実は、仕事を行いながらも休暇を取る「ワーケーション」の拠点としてのニーズを満たす格好となっている。拠点が多彩になっていくことで、会員の利便性が増していきそうだ。