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 最近は、外出先からでもインターネット経由でアクセスできる機能をサポートするNASも多い。出張先からノートPCでアクセスして仕事の続きをしてもいいし、スマートフォンを使って進行中の書類を確認したり、プレゼンテーション用の資料を外出先でダウンロードしたりする使い方もあるだろう。業務だとセキュリティールールとの兼ね合いでこうした使い方ができないケースもあるが、これが可能なら使い勝手はさらに高まる。

SynologyのNASキットは、ノートPCやスマホで外出先からNASのファイルにアクセスできるアプリを用意
SynologyのNASキットは、ノートPCやスマホで外出先からNASのファイルにアクセスできるアプリを用意
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HDDが組み込み済みのタイプと、後から組み込むタイプがある

 現状で市販されているNASは、おおむね二つのタイプに分けられる。

 一つはすでにHDDが組み込まれており、初期設定を行えばすぐに使いだせるタイプだ。国内メーカーならアイ・オー・データ機器の「LAN DISK」シリーズ、バッファローの「LinkStation」シリーズが有名だ。業務に必要なストレージサイズをあらかじめ確認しておき、それにマッチした製品を購入したい。

アイ・オー・データ機器のLAN DISKシリーズ「LAN DISK Z HDL2-Z19WCA-4」。ちょっと大きめの外付けHDDに見える。容量は4Tバイトで直販価格は14万5640円(税込)。ビジネスユーザー向けなのでちょっと高い
アイ・オー・データ機器のLAN DISKシリーズ「LAN DISK Z HDL2-Z19WCA-4」。ちょっと大きめの外付けHDDに見える。容量は4Tバイトで直販価格は14万5640円(税込)。ビジネスユーザー向けなのでちょっと高い
(出所:アイ・オー・データ機器)
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 もう一つはHDDが組み込まれていないタイプで、「NASキット」などと呼ばれる。海外メーカーの台湾シノロジー(Synology)や台湾キューナップシステムズ(QNAP Systems)が販売している製品を、価格比較サイトでよく見かけるだろう。このタイプを利用するには、自作PCなどで利用されるベアドライブ(HDD単体)を購入し、NASに組み込んだ上で初期設定などをする必要がある。

NASキットは3.5インチHDDを組み込むものが多いが、2.5インチHDDを利用する、きょう体が一回り小さいNASキットもある。写真は「DiskStation DS620slim」で、6台までの2.5インチHDDやSSDを組み込んでNASを作れる。Synologyの製品で、実勢価格は6万8000円前後
NASキットは3.5インチHDDを組み込むものが多いが、2.5インチHDDを利用する、きょう体が一回り小さいNASキットもある。写真は「DiskStation DS620slim」で、6台までの2.5インチHDDやSSDを組み込んでNASを作れる。Synologyの製品で、実勢価格は6万8000円前後
(出所:台湾シノロジー)
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 NASキットは完成品のNASと比べると、HDDの組み込み作業が必要になる分手間がかかる。また「NAS完成品」と「NASキット+ベアドライブ」でコストを比較すると、前者の方がやや安い傾向がある。

 一方NASキットのメリットは、予算に合わせて必要な容量のNASを作れる点にある。また容量が足りなくなっても、気軽にアップグレードできる。完成品だと基本的に購入時の容量しか利用できず、アップグレード可能でもサポートの関係でNASメーカーが提供するHDDを購入しなければならない場合が多い。ランニングコストも含めたトータルコストで考えると、後者の方が安くなるケースもあるのだ。

NASキットはベアドライブを自分で用意し、組み込む必要がある
NASキットはベアドライブを自分で用意し、組み込む必要がある
(撮影:竹内 亮介)
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 NASは非常に重要なファイルを扱うことが多い機器なので、企業向け製品に関しては年間契約の有償保守サービスを提供しているメーカーもある。万が一の時でも安心してNASを利用したいなら、保守サービスを契約しておくとよいだろう。