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 自動車の軽量化を進めるために、鋼などの代替としてプラスチックを採用する動きが急だ。その中で異種材料接合技術に求められ始めた機能が密着性と、それによる気密性や防水性である。プラスチック材料メーカーや加工会社が気密性や防水性の高い異種材料接合技術を開発。実用化が秒読み段階に入っている。

 不二精工(本社大阪市)が開発した接合技術も、三菱エンジニアリングプラスチックスと同様に、インサート成形でプラスチックと金属を接合させ、防水性や気密性を確保する(図1)。技術上のポイントは、金属端子とPBT(ポリブチレンテレフタレート)の間をポリエステルエラストマーでシールする点だ。

図1 PBT本体と金属端子のインサート成形品
図1 PBT本体と金属端子のインサート成形品
PBTの本体と金属端子の間を、ポリエステルエラストマーでシールして接合させたインサート成形品。(写真:日経ものづくり)
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 金属端子をPBTでオーバーモールドして、コネクターを製作する例で説明しよう。通常のコネクターでは、金属端子を金型に入れてインサート成形でPBTの本体部を形成する。しかし、その密着度は低いので、圧力をかけると金属とPBTの隙間を空気や水が通ってしまう。

 この隙間をなくすために、ポリエステルエラストマーを使用する。インサート成形を2段階に分け、1次成形でポリエステルエラストマーを金属端子の周りに付け、2次成形でPBT本体を造る(図2)。1次成形時にはポリエステルエラストマーは金属端子に密着しない。2次成形時にPBTをオーバーモールドする際、ポリエステルエラストマーの融点の140~190℃以上に加熱する。

図2 ポリエステルエラストマーを使った接合の仕組み
図2 ポリエステルエラストマーを使った接合の仕組み
1次成形でポリエステルエラストマーを金属端子の周りに付け、2次成形でPBT本体を造る。2次成形時にPBTをオーバーモールドする時にその熱で、金属端子とポリエステルエラストマーが化学的に結合。同時に、PBTのコネクター本体とポリエステルエラストマーも接合する。再度、ポリエステルエラストマーを加熱すると、非常に高い密着性を得られるという。(出所:不二精工)
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 この時、金属端子とポリエステルエラストマーが化学的に結合。同時に、PBTのコネクター本体とポリエステルエラストマーも接合する。その後、再度ポリエステルエラストマーを加熱すると、高い密着性を得られるという。アンカー効果による接合ではないので、金属表面に凹凸を付けるような前処理は不要だ。

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