2年ほど前にこのコラムで「小さなアームでスイッチを『押す』、家電をリモート操作できるIoT機器を検証」というタイトルでSwitchBotを紹介した。当時はボットと温湿度計の2つの製品について、直接BLEでアクセスできることを説明した。
あれからSwitchBotにはさまざまな製品が登場し、既存の家や部屋をスマート化する製品群に発展している。さらにクラウドAPIが一般公開され、誰でもオリジナルのデバイス連携が可能となった。
既にさまざまなブログ記事やYouTubeなどを通じスマートハウス化の文脈でSwitchBot製品が紹介されている。そこで本コラムでは商品の紹介は最小限にとどめ、本コラムらしく主に通信仕様などにフォーカスし、SwitchBotクラウドAPIの使い方の流れを紹介する。クラウドAPIの正式な名称は「SwitchBotAPI」だが、BLEのローカルAPIと区別するためにここでは「クラウドAPI」と呼ぶことにする。
SwitchBot製品の特徴
SwitchBotは「ボット」というアームを遠隔で動かす製品から始まったが、既存の家庭にあるさまざまなスイッチを物理的に押すという点が注目され、話題になった。
もちろん、これだけでは家や部屋をスマート化するには物足りない。その後、温湿度計、カーテン、プラグ、加湿器、開閉センサー、人感センサー、スマート電球、屋内カメラなどが販売されている。執筆時点では入手できなかったが、2021年12月の段階で見守りカメラとスマートロックも予約販売が開始されている。
特徴としては、十分な機能性を備えているわりに安価な点だろう。気軽にスマートハウスを試せるのが魅力だ。まずは、執筆時点で筆者が入手できた製品について簡単に紹介しよう。
ボット
既に紹介した通り、アームを動かすことで物理的にスイッチを押すデバイスだ。電源はCR2リチウム電池である。BLEを使って、スマートフォンからアームの動きを制御することができる。お値段は1個当たり3980円(税込み)だ。
温湿度計
ごくごくオーソドックスな温湿度計だ。BLEを使ってスマートフォンから計測値を取得できる。電源は単4電池が2本だ。筆者は1年以上この温湿度計を使っているが、1度も電池交換したことがない。BLEに対応しているわりには長持ちする印象だ。1個当たり3960円(税込み)である。
カーテン
この製品はモーターを使ってカーテンを開け閉めするデバイスだ。BLEを使ってスマートフォンからカーテンを開閉できる。1個当たり8980円(税込み)。SwitchBot製品のなかでは比較的高いほうだ。
開閉センサー
いわゆるドアセンサーやコンタクトスイッチと呼ばれるセンサーだ。BLEを使ってスマートフォンから状態を取得できる。1個当たり4960円(税込み)だ。
人感センサー
人などの動きを感知するセンサーだ。BLEを使ってスマートフォンから状態を取得できる。1個当たり4960円(税込み)だ。
スマート電球
カラー対応のスマート電球である。もちろん明るさの調整や色温度の指定なども可能だ。通信方式はWi-FiとBLEの両方に対応している。1個当たり5480円(税込み)と、カラーに対応しているスマート電球の中ではかなり安い方ではないだろうか。
以上のボット、室温時計、カーテン、開閉センサー、人感センサー、スマート電球に関しては、BLE通信仕様が一般に公開されている。