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 Google Home、Amazon Echo、Apple HomePodなど、いまやスマートスピーカーは当たり前の時代になっているが、オープンソースソフトウエア(OSS)のスマートスピーカーソフトウエアが存在するのは知っているだろうか。英語にしか対応していないため日本ではほとんど話題になることはないが、今回はRaspberry Piでも動作するMycroft紹介しよう。

Mycroftとは何か

 MycroftとはMycroft AIが提供するオープンソースの音声バーチャルアシスタントだ。商用のスマートスピーカーはプライバシー保護の観点で心配されることが多いが、Mycroftはそれを解決するべく立ち上げられた。同社では、このオープンソースのMycroftを組み込んだMark Iというハードウエア製品を販売していた。現在はMark IIの販売を予定しており予約販売している。

 同社ではMycroftをRaspberry Piで動作するPicroftというOSイメージの配布も行っている。このOSはRaspberry Pi OSがベースになっているため、Raspberry Piに慣れ親しんでいればOSの扱いに困ることはない。今回はPicroftのインストール手順の概要と使い勝手を紹介する。

 Mycroftはソフトウエアである。そのため、ハードウエアは自前で用意しないといけない。当然だが本体となるRaspberry Pi 3または4を用意する。

 加えてスピーカーとマイクロホンが必要だ。実はこれが少し厄介だ。どんなスピーカーやマイクロホンでも動作するわけではないからだ。海外のYouTube番組やブログ記事などでMycroftの動作事例を見る限り、スピーカーは3.5mmイヤホンジャック接続のタイプが、マイクロホンはUSB接続タイプが比較的確実に動作するようだ。

 3.5mmイヤホンジャック接続のスピーカーの場合、給電が必要となりケーブルが増えてしまう。それを嫌って筆者はUSB接続型のスピーカーを購入してしまった。だが残念なことにうまくMycroftから音が出なかった。改めてイヤホンジャック接続型のスピーカーを購入する羽目になってしまった。素直に先人の経験に従っていれば良かったと後悔している。

 マイクロホンに関しては、YouTube番組で使われていた激安マイクロホン製品の型番と同じ製品がAmazon.co.jpなどで見つからなかったため、見た目が同じ製品を購入した。激安の怪しいハードウエアにはアルアルの話なのだが、販売元やパッケージが違っても中身は同じということが多い。これに関しては期待通り問題なく動作した。

スピーカーとマイクロホン
スピーカーとマイクロホン
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