Raspberry PiといえばModel Bばかり注目されるが、Raspberry Pi 4シリーズにはCompute Module(以下CM4)もリリースされている。筆者のようなソフトウエア開発者にとってはCM4を入手したところで使い道はないが、私たちにとって魅力的なCM4搭載デバイスはいくつか登場している。
オープンソースのハードウエア製品やIoTデバイスの製造販売で有名なSeeed studioよりCM4搭載の5インチタッチスクリーン付きデバイスが販売されているので、今回はこれを取り上げる。そして、このデバイスを小型Webサイネージ端末として使うためのセットアップ手順も紹介する。
reTerminalの製品概要
reTerminalはCM4搭載のデバイスのため、CPUはRaspberry Pi 4 Model Bと同じだ。メモリーは4GB搭載されているので、通常の用途であればメモリー容量は十分だろう。ストレージは32GBのeMMCだ。これも申し分ないだろう。Raspberry Pi 4 Model BのSSD起動と比べてもOSが速く起動する。無線に関しては、Wi-FiおよびBluetooth 5が搭載されている。これに関してはRaspberry Pi 4 Model Bと同じだ。
では、Raspberry Pi 4 Model Bとは異なる点を紹介しよう。まずディスプレーだ。5インチのディスプレーが搭載されているが、静電容量式のタッチスクリーンだ。解像度は1280×720である。サイズとしてはかなり小型だ。Raspberry Pi OSのデスクトップが表示されるのだが、もちろん、このような小さな画面でデスクトップを使うのはかなり無理がある。これは小型サイネージや操作パネルといった用途に向く。
インターフェースについても見ていこう。上面には前述の写真の通り、F1、F2、F3、そして電源っぽいボタンがある。これらボタンの詳細については後述する。
下側面には1/4インチのカメラマウントが用意されている。
次の写真のようにカメラの三脚に装着した利用方法も可能だ。
上側面にはヒートシンクの横にボタンが1つ用意されている。場所的に電源ボタンのようにも思えるが、プリインストールされたRaspberry OSとしては電源ボタンとして機能していない。詳細については後述する。
右側面にはGPIOなどのピンが用意されている。ピンレイアウトはRaspberry Pi 4 Model Bと互換性がある。
左側面には電源用のUSB-Cポート、Micro HDMI、ギガビットイーサネットポート、そしてUSB 2.0ポートが2つ用意されている。
reTerminalは前述の物理インターフェースのほかにも加速度センサー、光センサー、RTC(リアルタイムクロック)が搭載されている。これらを組み合わせれば、おもしろい利用方法が出てくるかもしれない。
reTerminalは技適もクリアしており、スイッチサイエンスにて販売されている。裏面に技適の番号が印字されているので、安心して利用できる。
通常価格は税込みで2万4667円だ。ただ2022年2月現在は値引きがあり2万3517円で販売されていた。CM4搭載でこれだけの周辺機能を盛り込んだデバイスとしては、かなりお買い得なのではないだろうか。