カシオ計算機が2022年10月に発売した人間工学電卓シリーズは、キー面を3度傾けた形が特徴だ。右手を置いたときにフィットする角度となっており、キー入力しやすくなる。仕事で電卓を使う機会が多い人にとって、仕事の助けになりそうな製品だ。実際に入力しやすくなるのか、一般的な電卓と使い比べてみた。
人間工学電卓は、持ち運びやすいサイズで色違いの「JE-12D-WE」「JE-12D-BK」と、幅が広く机の上に置きっぱなしで使うのに向いた「DE-12D-WE」の2タイプある。カシオ計算機のオンラインストアでの価格はJE-12D-WEが1万450円、DE-12D-WEが1万1000円(いずれも税込み)で、電卓としては高額な製品だ。
特徴は、キーのある操作面を3度傾けてあることだ。キー自体は傾いているわけではなく、横から見ると階段状に並んでいて垂直方向に打てる。キートップは、手前側の4つのキーが凸型で、他のキーは凹型になっている。このキートップの形状はカシオ計算機の他の電卓でも見られるものだ。
手を自然な状態で置ける
操作面を傾けたことのメリットは、手を置いてみるとすぐに分かる。手を自然な状態で机の上に置くと、正面から見て手の甲と指先は斜めになっている。操作面が水平になっている一般的な電卓だと、手首をややひねった状態でキーを押すことになり、計算していて少し窮屈に感じられる。操作面が斜めになっている人間工学電卓では手を自然に置いた状態でキーを押すことができ、そうした窮屈さがない。自然な状態でPCを操作できるようにと中央部が盛り上がったPC用キーボードや、手を置く部分を斜めにしたマウスがあるが、それらと同様の発想だ。