3年ぶりにラスベガスで開催された「CES 2023」に参加した。新型コロナウイルス禍の影響で2021年は完全オンライン形式、2022年はハイブリッド開催だったので、CESとしても本格的なリアル開催復活である。
筆者はCESを個人的な定点観測地点と位置づけおり、14回目の現地参加となった。CES 2023に関する記事はネット検索すればいくらでも出てくるので、個々の展示やカンファレンスの詳細に関してはそれらの記事に譲るとして、ここでは筆者の感じたままをお伝えしよう。
まず会場に到着して感じたのは2020年以前と比べると「出展も参加者も少ないな」であった。けっしてガラガラというわけではなく、人気の展示会場はそれなりに混みあってはいるのだが、密度がやはり以前とは違った。
CESの運営団体であるCTAによれば新型コロナ対策として、通路その他のスペースをこれまでの開催時よりも広く取っていたとのことなので、それも印象に影響したとは思う。さらにこれまで広い展示スペースに大量の商品をズラリと並べ、説明員も大勢という圧倒的な物量作戦を展開する中国大企業の参加が激減したことも一因だろう。
それでもやはりCESのリアル開催を見て回るのは楽しい。最新の技術を巨大で美しい特殊なディスプレーを使っての派手な演出に驚き、SFに出てくるようなコンセプトカーやモンスタートラックに目を奪われる。展示会でありながら同時にエンターテインメントでもあるといってよいだろう。
残念ながら日本企業は影が薄かった。ソニー・ホンダモビリティの新型EV「AFEELA(アフィーラ)」には人だかりができてはいたが、良くも悪くも日本企業の展示は真面目というかお堅い印象なのだ。ただ、今回は20代後半から30代くらいの若手の日本人社員の説明員をこれまで以上に多く見かけた。
もちろん過去のCESにも日本人の説明員はいた。たが、今回見かけた多くの若手社員たちはどこか違う雰囲気であった。抽象的な表現になってしまうが、「国際感覚を身に付けて」いて、年齢が若いのに物おじせず、堂々と務めているように見えた。若い人材が頑張っているのは素直に評価したい。