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 筆者はイントリーグというITコンサルティング会社の社長だが、現場でコンサルティングも行っている。社員とチームを組んで常時複数の案件に取り組んでいる。コンサルタントという職業にプライドとやりがいをもって日々の仕事をしている。

 一方でコンサルタントという肩書きほどピンからキリまでいろいろある職業はないだろうと思っている。世界的に有名な経営コンサルティング会社のエリートも詐欺師まがいの危ない連中も名刺の肩書きだけみれば「コンサルタント」である。コンサルタントという職業に資格も試験もない。だから誰でもコンサルタントを名乗ろうと思えばいつでもなれるのだ。

 いわば根拠のない肩書きだからか、「コンサルタント嫌い」を公言する人は少なくない。人の紹介を得て商談に臨んだ際に、初対面にもかかわらず「私はコンサルタントが嫌いなんです」と言われたことも何度かある。特に製造業でたたき上げてきた経営者にはコンサル嫌いが多いようだ。

 モノ作りをしている人からみればコンサルタントは口八丁で、偉そうなことを言うだけで高いカネをふんだくる、と思われているのかもしれない。もちろん、きちんとした成果を出すコンサルタントはそうではない。プレゼンやレポートの裏側には膨大な経験や学習、調査、分析がある。そして結論をまとめるには決断力もいる。結論は言葉にすれば単純なものかもしれないが、その言葉を発するために専門家でなければできない複雑なことをしているのである。しかし、一方でかなり悪質で、いい加減なことをやっている詐欺師まがいのコンサルタントがいることも確かだ。

 筆者はこれまで何度か「悪徳コンサルタントにだまされて困っているから助けてくれ」と中小企業の経営者から相談を受けたことがある。話を聞いてみるとどれも似たような内容なのだ。「知人に紹介されたITのコンサルタントにシステム構築の旗振りを任せたけど、いつまでたってもシステムができあがらない。追加の費用ばかり請求される」、「自信満々のコンサルタントからいきなり3年契約を持ちかけられた。最低3年の契約をしないと仕事をしないと言われたから契約したが、まったく役に立たない」といったトラブルだ。状況を確認した後に、その当事者のコンサルタントと面談して少し話をすると「だめだ、こりゃ」とすぐにわかる。

 まず発注者の社長やシステム担当者に状況を確認すると、発注者としてコンサルタントに何を依頼するかをきちんと決めていないのである。発注者側が自分たちで何ができて、何ができないのか。スキルが不足しているのか、それとも時間やリソースが無いのか、そういったことを自覚しないまま、「知り合いの紹介のすごい先生らしい」ということで、何の仕事をしてもらうのか決めずに「とりあえずお願いします」と「丸投げ」しているのである。