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 大手キャリアの通常プランよりも割安で人気を集めるオンライン専用プラン。NTTドコモは「ahamo」、KDDIは「povo」、ソフトバンクは「LINEMO」のブランドで提供している。

 例えばドコモの5Gスマートフォンで1カ月に20GBを使う場合、通常プランの1つである「5Gギガホ プレミア」では月額7315円(税込み、以下も特に表記がなければ同じ)かかる。一方、ahamoは同2970円で済む。5Gギガホ プレミアは利用条件によって複数の割引を受けられるものの、フルに適用されても4928円だ。他社もほぼ同じような価格差で、オンライン専用プランは圧倒的に安い。

 ただし、オンライン専用プランには安いなりの条件や制約もある。そこで各キャリアの通常プランとオンライン専用プランの違いを解説する。この春、ahamo、povo、LINEMOへの乗り換えや新規契約を考えているあなたの参考になれば幸いである。

ヘビーユーザーもお得に使える「ahamo大盛り」

 ドコモのオンライン専用プランであるahamoは、1カ月に利用できるデータ通信量が20GB。「ahamo大盛り」というオプションを追加すれば、100GBを利用できる。一方、通常プランは、1カ月に利用できるデータ通信量によって複数ある。使い放題の「5Gギガホ プレミア」や、小容量で段階式の「5Gギガライト」などだ。通常プランとオンライン専用プランの違いは下記の通り。

NTTドコモの通常プランとオンライン専用プラン
(出所:筆者作成)
NTTドコモの通常プランとオンライン専用プラン
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 まず、小容量プランの5Gギガライトと比べてみよう。5Gギガライトは月額3465円(各種割引の適用時は2178円)から。データ通信量が3GBを超えると月額5665円(同3278円)かかる。これに対し、ahamoは月額2970円で、1カ月に20GBまで使える。しかも5分以内の国内通話は課金されず、20GBの超過後に最大1Mビット/秒で利用できる。データ通信が著しく少ない人を除き、料金面ではahamoが得だ。

 一方、大容量プランの「5Gギガホ プレミア」は、データ使い放題で月額7315円(各種割引適用時は4928円)。ahamoのサービス開始当初は、例えば月に50GB以上使うなどのヘビーユーザーであれば、5Gギガホ プレミアに優位性があった。

 しかしこの優位性は、2022年6月以降は薄れた。月額1980円でデータ容量を80GB追加できるahamo大盛りオプションが加わり、ahamoが月額4950円で100GBを利用できるようになったからだ。

 5Gギガホ プレミアで各種割引をすべて適用した際の4928円よりはわずかに高い。しかし、1人で利用する場合や割引対象の光サービスを利用していない場合は、ahamoのほうが安い。

ahamoは海外渡航先でも追加料金なしでデータ通信が可能

 さらにahamoだけのメリットもある。海外ローミング(データ通信)の利便性だ。ahamoは追加料金を払わずに、海外82の国・地域でデータ通信を利用できる。使用した分のデータ量を、国内と同様に20GBから消費する。

 通常プランでは「パケットパック海外オプション」「海外パケ・ホーダイ」などに加入する必要があり、追加料金がかかる。海外に渡航することが多い利用者には大きなメリットとなるだろう。

 ahamoを選ぶ際に注意しなければならないのは、通常プランと比べると利用できないサービスが多いことだ。通常プランからの乗り換えを検討していて、乗り換え後も引き続き利用したいサービスがある場合は、事前にドコモの公式サイトで確認しておこう。

ahamoでは利用できないサービスが多い
ahamoでは利用できないサービスが多い
(出所:NTTドコモ)
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 例えば、留守番電話サービスやメールサービスの「ドコモメール」を利用できなくなる。ただ、最近は電話よりも「LINE」を使う利用者が多い。LINEで事が足りると判断し、ドコモメールなどを使えなくても不便と感じない利用者もいるだろう。

 なお、ahamoでもドコモのポイントプログラム「dポイントクラブ」は利用できる。税別で1000円使うごとに10ポイントがたまる。しかし、ahamoは誕生月に最大5000ポイントが還元される「長期利用ありがとう特典」には対応していない。