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 新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、テレワークを導入する企業やオンライン授業を実施する教育機関が増えている。こうした通信のニーズ増加に合わせて、データ量増量などの支援策を打ち出す携帯電話事業者やMVNO(仮想移動体通信事業者)が出てきている。

 特に多いのは学生向けの支援策である。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、ワイモバイルは25歳以下の学生を対象に期間限定で、最大50Gバイトまでのデータ量の追加を無償にしている。

 MVNOも、それぞれ無償で追加できるデータ容量は異なるものの、同様の措置を学生向けに講じている。UQ mobile(最大30Gバイト)、BIGLOBEモバイル(最大20Gバイト)、LINEモバイル(最大10Gバイト)、OCN モバイルONE(最大10Gバイト)、IIJmio(最大30Gバイト)などだ。

 しかし学生以外を対象とした支援策を導入している事業者は、それほど多くないと感じている。そこで今回は、モバイル通信サービスを提供する企業が打ち出している、一般ユーザー全般や法人ユーザーを対象としている支援策について調べてみた。

 筆者が調べた範囲で、2020年5月13日までにテレワーク支援策を発表した通信事業者は6社あった。このうち4社は個人向けに特化した支援策を、2社は法人向けに特化した支援策となっている。それぞれ内容が異なるので、1つずつ紹介していこう。

楽天モバイルは、au回線でのデータ容量を5Gバイトに増量

 2020年4月8日からMNO(自社回線を持つ移動体通信事業者)としての正式サービスを開始した楽天モバイルは、3月3日に発表した料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」の提供内容を一部変更した。

 変更前は、楽天回線を利用できずパートナー回線(au回線)に接続される場合は月に2Gバイトまで利用でき、超過すると最大128Kビット/秒の速度制限が課せられるという内容だった。しかし同社が「今般の在宅ワークや教育機関等のオンライン学習実施状況を勘案」した結果、パートナー回線でのデータ容量は5Gバイト(4月22日から順次実施)、超過後の通信速度は最大1Mビット/秒(4月8日から実施)に変更された。

Rakuten UN-LIMITは、正式サービス開始と同時にサービス内容が「2.0」にバージョンアップされた
Rakuten UN-LIMITは、正式サービス開始と同時にサービス内容が「2.0」にバージョンアップされた
(出所:楽天モバイル)
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 楽天モバイルは月額2980円(税別)の同プランを、300万人を対象に開通日から1年無料とするキャンペーンを実施中だ。テレワーク支援には直接関係がないキャンペーンではあるものの、楽天回線が開通しているエリアに住んでいる人はテレワークに生かせるだろう。