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 ミッドレンジとハイスペックに二分されつつあるスマートフォン。ミッドレンジモデルであれば3万~5万円台で買える機種がある一方、ハイスペックモデルは購入価格の高騰の色合いが強まっている。10万円を超える機種が増え、20万円を超える機種さえある。

 NTTドコモの「ドコモオンラインショップ」を例に、価格を確認してみよう。例えば米Apple(アップル)の「iPhone」のうち、最も高額の「iPhone 13 Pro Max」の1TBモデルの価格は24万3144円(税込み、以下同)。韓国Samsung Electronics(サムスン電子)製の折り畳み型スマホ「Galaxy Z Fold3 5G SC-55B」は23万7600円。ソニー製で6月上旬以降に発売予定の「Xperia 1 IV SO-51C」は19万872円と案内されている。

 20万円前後の価格では購入をためらうユーザーも相応にいるだろう。そこで携帯電話大手3社は、将来の下取りなどを前提にユーザーの端末購入費の負担を軽減する端末購入サポートプログラムを用意している。ドコモは「いつでもカエドキプログラム」、auは「スマホトクするプログラム」、ソフトバンクは「新トクするサポート」という名称だ。

 各社のプログラムはいずれもユーザーが分割払いで対象機種を購入し、約2年間利用してから端末を返却すると、残価を支払い不要にする仕組み。約2年間で機種を切り替えるユーザーにとってはハイエンドのスマホを割安に使えるメリットがある。

 しかし、スマホの買い替えサイクルはユーザーによって様々だ。2年以上使い続ける人が増える傾向にある一方で、毎年のように買い替える人ももちろんいる。1台を長く使うとき、逆に頻繁に機種変更するときにも、2年を前提とする各社の端末購入サポートプログラムを利用するメリットはあるのだろうか。

 そこで各社のプログラムを申し込んで「iPhone 13(128GB)」を購入し、1年、2年、3年の各期間で実質的な負担額をそれぞれ計算してみた。使用期間ごとにお得度に違いが出てくる。

ドコモは頻繁に買い替える人にも利点

 まずはドコモのいつでもカエドキプログラムをみてみよう。24回の分割払い方式で、最後の24回目に残価を設定している。23回目までの支払いを済ませて端末を返却した場合、24回目の残価の支払いが不要になる。

 ユーザーが1~22回目までの支払期間にプログラムを利用したときは、残価の支払いが不要になるうえ、利用を終えた翌月以降の分割金を割り引く「早期利用特典」も受けられる。早期利用特典は機種ごとに割引額が設定されており、iPhone 13(128GB)であれば月額600円だ。

 23回目の支払いを終えてもユーザーが使い続けるときはどうか。この場合は、24回目の残価があらためて24回分に分割される。例えば36回目までの支払いを済ませてプログラムを利用すると、37回目以降の支払いが不要になる。

「いつでもカエドキプログラム」は、プログラムを利用するタイミングによって、端末の実質負担金に差が出る。
「いつでもカエドキプログラム」は、プログラムを利用するタイミングによって、端末の実質負担金に差が出る。
(出所:NTTドコモ)
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 端末価格は、初回2464円と、2~23回の計22回が各2444円。これに残価5万5440円を合計して11万1672円だ。使用期間ごとの負担金は以下の通りだ。

  • ●1年使った場合(12カ月目に返却):2464円+2444円×22回-早期利用特典600円×11回=4万9632円
  • ●2年使った場合(23カ月目に返却):2464円+2444円×22回=5万6232円
  • ●3年使った場合(35カ月目に返却):2464円+2444円×22回+再分割金2310円×12回=8万3952円

 1年使って12カ月目に返却したときは早期利用特典を受けられるので、約2年使う(23カ月目に返却する)ときと比べて6600円安くなる。2年を待たずに使いたい機種が登場したときなど、好きなタイミングでプログラムを利用しやすい。

 半面、長く使い続けると実質負担金は高くなる。頻繁に買い替える人を含め、23カ月目までに返却するときに利用した方が恩恵を受けられるわけだ。