2000年の電力自由化によって、中部電力や関西電力といった大手電力会社以外の民間企業が電力の小売りに参入できるようになった。「新電力」と呼ばれる電力の小売り事業に、携帯電話事業者も参入している。
電気サービスを提供する携帯電話事業者の中に、スマートフォンと電気サービスをセットで利用するとスマホ料金を割り引くといった「セット割」を提供している事業者がある。例えば、UQモバイルが2021年6月10日に開始した「でんきセット割」は、UQモバイルのユーザーが電気サービスの「UQでんき」または「auでんき」と契約すると毎月のスマホ料金が最大858円割り引かれる。
このほかにどんなセット割があるのか。各社のセット割を調べてみた。
auはポイントがたまる
KDDIは、auでんきという電気サービスを提供している。auでんきの契約にauの回線をひも付けると、毎月の電気料金に応じてPontaポイントをもらえる。
月単位の電気料金が税抜き5000円未満の場合は電気料金の1%、5000円以上8000円未満は3%、8000円以上は5%のポイントが付与される。例えば、1カ月の電気料金が1万円の場合は500円分のPontaポイントがたまる。
家族の中でauの回線を複数使っていても、ポイントをもらえるのは1回線だけだ。ただ、「家族割プラス」のカウント対象の料金プランに複数契約しているといった条件を満たした上でauでんきに新規加入すると、auでんきにひも付けた回線のスマホ料金は毎月1100円を最大6カ月間割り引かれる。過去に提供されていた「auでんきおトク割」や「auでんきスタート割」を適用していた場合は対象外になる。
auでんきではさらに、2021年4月から公式Webサイトで新規加入すると2000円分のPontaポイントを付与するキャンペーンを始めた。終了時期は未定。2021年7月14日時点でまだ開催されている。
auでんきの電気料金は大手電力会社の「従量電灯」(最も一般的なプラン)と同額で、新電力としては高い。ただ、電気料金をスマホ料金とまとめて支払える、ポイントを効率よくためられるというメリットがある。また専用のスマホアプリなどを使って日々の電気料金や料金の予測をチェックできる。こうした情報を利用して節電につなげたいという人にはメリットになるだろう。なお、auでんきの解約時に違約金や手数料はかからない。