大手3キャリアのNTTドコモとKDDI(au)、ソフトバンクはスマートフォンの購入費を抑える施策として、端末を割賦購入して2年間経過した後、端末を返却すると残りの支払いを免除する端末購入サポートプログラムを提供している。しかしこれらのプログラムを利用せずに、2年後に端末を中古ショップなどで買い取ってもらったほうが得なのでは? と考える人もいるだろう。そこで今回は、各社のプログラムのお得度を検証してみた。なお、記事で取り上げた金額は筆者が2021年8月11日時点に調査したものだ。
各社で異なるプログラム、最も得なのはソフトバンク
まずは、各社の端末購入サポートプログラムの概要を押さえておこう。
ドコモが2019年6月から提供する「スマホおかえしプログラム」は端末を36回払いで購入し、その端末を返却した場合に最大で12回分の支払いが不要になる。
現在発売中の端末で説明すると、iPhone 12(64GB)は10万1376円(2816円×36回)だが、同プログラムを利用すると3万3792円(2816円×12回)の支払いが不要になり、実質負担金は6万7584円となる。2年後に端末代の3分の1(33.3%)の金額で買い取ってくれると言い換えることができる。
Androidの端末でプログラムを利用した場合は、11万5632円(3212円×36回)のAQUOS R6の実質負担金は7万7088円になる。15万4440円(4290円×36回)のXperia 1 IIIの実質負担金は10万2960円になる。機種に関わらず、支払いが免除される金額は端末代の3分の1である。
auは、2020年2月21日から「かえトクプログラム」を開始した。端末代金は24回払いで、1回目から23回目の支払額は同額で、最終の24回目だけ高い支払額が設定されている。その24回目の支払いとなる25カ月目に新しい機種に買い替えると、24回目の支払いが不要になる。
例えば、iPhone 12(64GB)の場合、2410円×23回+4万8000円(最終回)=10万3430円という設定になっていて、実質負担金は5万5430円となる。最終回の支払額は端末代の46.4%で、この金額で下取りしてくれるというイメージだ。
なお、かえトクプログラムの支払い総額における最終回の比率は機種によって差がある。例えば、Xperia 1 IIIでは、4280円×23回+7万9560円(最終回)=17万8000円で、実質負担金は9万8440円となる。最終回の支払額は端末代の44.7%だ。
ソフトバンクは2019年9月13日から「半額サポート+」というプログラムの提供を開始した。その後、名称やサービス内容が一部変更されて、現在は「トクするサポート+」というプログラムを提供している。端末を48回払いで購入し、24回目まで支払い終えた25カ月目に新しい機種に買い替えると残りの24回分の支払いが不要になる。
例えば、iPhone 12(64GB)の場合、2310円×48回=11万880円という設定で、プログラムを利用すれば2310円×24回=5万5440円が免除されて実質負担金は5万5440円となる。つまり端末代の半額で使えるわけだ。
トクするサポート+はどの機種でも各回の支払額は代金の48分の1になっている。ライカ監修のカメラを搭載するAQUOS R6の場合、2790円×48回=13万3920円で、実質負担金は半額の6万6960円となる。3キャリアの中で最もお得度の高いプログラムといえる。