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 NTTドコモが2021年9月24日から「いつでもカエドキプログラム」の提供を開始した。従来提供していた「スマホおかえしプログラム」に代わる、スマートフォンなどの端末購入をサポートするプログラムである。端末を分割払いで購入し、使い終えた端末を返却することで一部の分割金の支払いが免除される仕組みだ。

iPhone 13シリーズの発売に合わせて提供開始された「いつでもカエドキプログラム」。写真は9月17日に開催されたオンラインでの記者説明会の様子
iPhone 13シリーズの発売に合わせて提供開始された「いつでもカエドキプログラム」。写真は9月17日に開催されたオンラインでの記者説明会の様子
(写真は筆者が取得、以下同じ)
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 スマホおかえしプログラムは、競合他社の購入サポートに比べると支払額が多くなることが多かった。一方、今度のいつでもカエドキプログラムは他社より割安になるといわれている。

 購入サポートは端末の返却時期によって、免除される金額が変わる。いつでもカエドキプログラムはいつでもお得か。米Apple(アップル)のスマホ「iPhone 13」と「iPhone 13 Pro」を例に、いつでもカエドキプログラムのお得度を調べた。

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いつでもカエドキプログラムは残価設定の24回払い

 まず、いつでもカエドキプログラムの概要を見ていこう。ドコモの回線契約は不要で、dポイントクラブに加入していれば利用できる。

 対象となる端末を購入する際、残価設定型の24回払いを設定する。残価設定とは、最後の支払いを残価として大きくして、それまでの支払額を抑える割賦払いのことである。

 いつでもカエドキプログラムは原則として、23回目までの支払額が同額で、24回目に残価が設定される。購入から23カ月目に端末を返却すると、額が大きくなる24回目の支払いが不要となる。なお、これまでの購入サポートで一般的だった端末の買い替えは不要になった。端末を返却するときに、新しい端末を購入する必要はない。

いつでもカエドキプログラムの概要
いつでもカエドキプログラムの概要
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24回目の支払いが免除される仕組み
24回目の支払いが免除される仕組み
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 例えば、iPhone 13(128GB)の機種変更・新規の端末価格は11万1672円(4653円×24回)だが、いつでもカエドキプログラムに加入して購入した場合、初回2464円+2444円×22回+残価5万5440円=11万1672円となる。23カ月間使って返却する場合の実質負担金を5万6232円に抑えられる。

 ちなみに従来のスマホおかえしプログラムは残価を設定しない36回払いで、最大12回分が免除される仕組みだった。仮にスマホおかえしプログラムが継続していれば、iPhone 13(128GB)は3102円×36回=11万1672円で、24カ月間使って返却する場合、免除される額は3102円×12回=3万7224円だったはずだ。加入条件や返却時期が異なるので同列で比較できないが、5万5440円-3万7224円=1万8216円なので2万円近く安くなったと言えそうだ。

短期間で返却しても得になる

 いつでもカエドキプログラムは、毎年新しい機種に買い替えたい人など、利用期間が短い人がこれまでの購入サポートより得になる。

 端末を購入してから23カ月たたずに返却した場合、早期利用特典が適用されて23回目までの支払額が減額される。例えばiPhone 13(128GB)の場合、返却を前倒した期間1月当たり600円が減額となる。iPhone 13を購入してから1年間使って返却すると、5万5440円の残価に加えて600円×11回=6600円安く使える。なお、早期利用特典の減額幅は機種によって異なる。

購入から22カ月目までに返却した場合に、さらに安くなるのはドコモのみ
購入から22カ月目までに返却した場合に、さらに安くなるのはドコモのみ
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 なおいつでもカエドキプログラムに加入して、23カ月目までに返却しなかった場合は、残価が自動で24回払いに再分割される。この場合でも、端末を返却すれば残り期間の支払いを免除される。

2年以上使い続けることもでき、最後まで支払うと端末の返却は不要
2年以上使い続けることもでき、最後まで支払うと端末の返却は不要
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