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 国内の3大キャリア(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)が2021年春に提供開始した低価格が売りのオンライン専用プラン。当初は月当たりのデータ量が20GBのプランで、料金がほぼ横並びだった。

 ところが、ソフトバンクが2021年7月15日から月当たり3GBバイトのプランを追加し、KDDIは9月29日から基本料金が0円に設定しデータ量や通話オプションを「トッピング」として追加するプラン設計に変更した。こうして三者三様になったことで、キャリア変更も視野に入れてオンライン専用プランへの移行を考えている人は、どのプランにしたらよいか迷うだろう。そこで月当たりのデータ量別にどのキャリアのプランが安くなるのかを調べた。

月20GBと5分以内かけ放題ならほぼ同額

 まずは3社のプランの概要を見ていこう。

3大キャリアのオンライン専用プランの概要
金額はすべて税込み。
プラン名NTTドコモ「ahamo」KDDI「povo2.0」ソフトバンク「LINEMO」
月額基本料金2970円0円ミニプラン:990円
スマホプラン:2728円
データ量
(povo2.0はデータトッピングの料金)
20GB1GB(7日間):390円
3GB(30日間):990円
20GB(30日間):2700円
60GB(90日間):6490円
150GB(180日間):1万2980円
3GB(ミニプラン)
20GB(スマホプラン)
超過後の通信速度最大1Mbps最大128kbps(トッピングがないとき)最大300kbps(ミニプラン)
最大1Mbps(スマホプラン)
データ量の追加料550円/GBトッピングを利用550円/GB
国内通話料1回5分以内は無料、超過後は22円/30秒22円/30秒22円/30秒
通話オプション(月額)24時間かけ放題:1100円5分以内かけ放題:550円
24時間かけ放題:1650円
5分以内かけ放題:550円
24時間かけ放題:1650円
※加入から1年間は550円引き

 ドコモの「ahamo」は月額2970円(税込み、以下同じ)で20GBまで利用できる。サービス開始当初から大きな変更はない。1回5分までの国内通話がバンドルされていることが他社との差分。2021年11月10日に開催された決算会見で、ahamoの契約数は200万件を超えたことを明らかにした。

ドコモのahamoは海外ローミング時にも20GBからデータが消費されることもメリット
ドコモのahamoは海外ローミング時にも20GBからデータが消費されることもメリット
(出所:NTTドコモ)
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 KDDIは、2021年9月29日から「povo2.0」の提供を開始した。20GBで月額2728円の従来プラン(povo1.0)を契約しているユーザーはそのまま使い続けられるが、新規受付は終了している。povo2.0は基本料金が0円で、それだけでは最大128kbpsの速度でしか通信できない。通常の速度でデータ通信するためにはデータトッピングを追加する必要がある。

  • 24時間使い放題:330円
  • 1GB(7日間):390円
  • 3GB(30日間):990円
  • 20GB(30日間):2700円
  • 60GB(90日間):6490円
  • 150GB(180日間):1万2980円

 1カ月を30日として計算すると、1カ月(30日間)20GBのデータトッピングを購入すると2700円。長期間のトッピングを購入すると割安になる。例えば、3カ月(90日間)60GBを6490円で購入すれば1カ月平均約2163円で20GBまで使える。ahamoと同じ5分以内かけ放題になる通話オプションを550円で追加可能。60GBのトッピングと合わせると月額約2713円でahamoとほぼ同額になる。

KDDIのpovo2.0は長期的に使える大容量のデータトッピングを購入すると経済的
KDDIのpovo2.0は長期的に使える大容量のデータトッピングを購入すると経済的
(出所:2021年9月開催のKDDIのオンライン発表会のスライドより)
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 povo2.0にはより長期間のトッピングも用意されている。6カ月(180日間)150GBのトッピングを購入すれば、1カ月当たり約2163円で25GBまで使える。さらにコンビニエンスストアやファストフード店などが含まれる対象店舗での買い物によって、データ量が付与される「#ギガ活」が提供されている。2021年11月現在、契約数はpovo1.0と2.0を合わせて100万を超えているという。

 ソフトバンクの「LINEMO」は、月額990円で3GBまでのミニプランと、月額2728円で20GBまでのスマホプランを選べることが特徴。どちらもLINEのトーク、音声通話、ビデオ通話などのデータ量がカウントされず、無料で使えることが利点だ。ahamoと同じ5分以内かけ放題の通話オプションは550円で提供され、加入から1年は無料となっている。スマホプランの料金と合わせると、当初1年はahamoとほぼ同額の2728円、1年を超えると3278円になる。

ソフトバンクのLINEMOは2つのプランから選べる
ソフトバンクのLINEMOは2つのプランから選べる
(出所:ソフトバンク)
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 ソフトバンクは2021年8月の決算会見で、LINEMOの契約数を「50万人に満たない」と発表して以来、LINMO単体での契約数は公表していない。ただ、11月に開催された会見でLINEMOとMVNOの「LINEモバイル」を合わせた契約数は100万契約を超えたと発表している。