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 少し前まで、MVNO(仮想移動体通信事業者)の通話料は割高だと言われていた。そんな中、2020年7月15日に日本通信が「日本通信SIM」で国内通話かけ放題の「合理的かけほプラン」の提供を開始した。12月2日からはジュピターテレコムが「J:COM MOBILE」で、月額1500円(税別・以下全ての金額は税別)で60分までの国内通話がかけ放題になるオプションサービスを開始している。

 MVNOはこれまでなぜ、通話料を安くできなかったのか?そして上記の2社は、なぜ通話定額を実現できたのか?その背景を探ってみた。

日本通信の「合理的かけほプラン」は月額2480円で、3GBのデータ通信+国内通話はかけ放題となる
日本通信の「合理的かけほプラン」は月額2480円で、3GBのデータ通信+国内通話はかけ放題となる
(出所:日本通信)
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MVNOが通話料を安くできない理由

 MVNOは、大手キャリアのネットワークを借りて通信サービスを提供している。自社で基地局などの設備を持つ必要がなく、通信帯域のレンタル料と言える「接続料」は行政の指導もあって比較的安い金額が設定されている。

 さらに、オンラインで顧客に対応するなどの工夫によって、運営コストも抑えている。結果、大手キャリアよりも大幅に安い通信料を実現している。

 しかし通話料は、大手キャリアと同等もしくは割高となる傾向がある。大手キャリアの通話料は30秒あたり20円だが、電話をかけることが多い人に向けて1回5分または時間無制限で国内通話がかけ放題になるオプションサービスを提供している。

1回5分以内かけ放題かけ放題
NTTドコモ5分通話無料オプション
700円
かけ放題オプション
1700円
KDDI(au)通話定額ライト2
800円
通話定額2
1800円
ソフトバンク準定額オプション+
800円
定額オプション+
1800円
大手3キャリアの通話定額オプション

 MVNOの通話料も、大手キャリアと同じ30秒あたり20円に設定されていることが多い。日本通信が「合理的かけほプラン」を始めるまで、大手のような通話定額オプションを提供する事業者はなかったはずだ。ただし、中継電話(プレフィックス番号を付加して発信する電話)やIP電話を用いて、割安の通話サービスを提供する事業者は少なくない。

OCNモバイルONE中継電話「OCNでんわ」を用いて、かけ放題オプションを提供
例:月額1300円で10分以内かけ放題+上位3番号の通話料は無料になる
IIJmio中継電話「みおふぉんダイヤル」を用いて、通話定額オプションを提供
例:月額830円で10分以内かけ放題、家族とは30分まで話せる
mineo中継電話「mineoでんわ」を用いて、10分かけ放題(月額850円)を提供
BIGLOBEモバイル中継電話「BIGLOBEでんわ」を用いて、通話オプションを提供
例:月額830円で10分以内かけ放題
MVNOが提供する主な通話定額サービス