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 以前に本連載で米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)の生体認証決済「Amazon One」を紹介した。新型コロナウイルス禍による渡航制限で海外出張が難しい状況が続くが、2021年10月に米ネバダ州ラスベガスで開催された金融カンファレンス「Money20/20 USA」の取材に合わせて、このサービスを直接体験する機会を得たので改めてリポートしたい。

 Amazon Oneは手のひらの情報を登録し、それにクレジットカード情報やAmazonアカウントをひも付けることで、以後はAmazon One対応店舗では手のひらをリーダー上にかざすだけで決済できる仕組みだ。

 2020年9月の開始当初は同社が運営する無人決済店舗「Amazon Go」で導入され、現在では「Amazon Fresh」「Amazon 4-star」「Amazon Books」といった系列の他店舗をはじめ、傘下の「Whole Foods Market」、ほかにも直接系列とは関係ない導入店舗など、Amazon本社のある米ワシントン州シアトルを中心に広がりつつある。

 また、シアトルやニューヨークなどの既存のAmazon Go店舗でも従来の2次元コードを専用アプリ上で表示して読み込ませるスタイルから、このAmazon Oneタイプの入場ゲートへの置き換えを順次進めている。これとともに、日本人利用者には若干不都合な状況も垣間見えるようになったので、併せて紹介していく。

Amazon本社ビルの1階にあるAmazon Go 1号店に導入された「Amazon One」
Amazon本社ビルの1階にあるAmazon Go 1号店に導入された「Amazon One」
(撮影:鈴木 淳也)
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対応店舗は87カ所、スタバとの併設店舗にも設置

 現在どの店舗でAmazon Oneが利用できるかは公式サイトで確認できる。本稿執筆時点で87カ所が紹介されている。比較的多いように見えるものの、その大部分は前述のAmazon系列店舗と、シアトル都市圏内のWhole Foods Marketなので、実際に利用できる場所は割と限られている。

 ただ、2021年11月18日(米国時間)にはコーヒーチェーンの米Starbucks(スターバックス)が同社のピックアップ専門業態の「Starbucks Pickup」において、Amazon Goとの併設店舗の営業を始めたことを発表した。そのなかでAmazon Oneを導入したことが判明している。このStarbucks PickupとAmazon Goの併設店舗1号店はニューヨーク市の59丁目とレキシントン・アベニューの交差点付近に存在し、2021年内にももう2店舗の開店を準備中という。こうしたAmazon Goの新しい展開スタイルが広がるのに伴い、Amazon Oneの定着も進むかもしれない。

Starbucks PickupとAmazon Goを併設した新業態店舗。ここでは最初からAmazon Oneを導入している
Starbucks PickupとAmazon Goを併設した新業態店舗。ここでは最初からAmazon Oneを導入している
(出所:Starbucks)
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