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死角の見えないユニコーン

 著名なメールマガジン「Not Boring」の著者パッキー・マコーミック氏は、2020年にストライプは(当時)インターネット上で最も過小評価されている会社、と述べた。その際に同社はおそらくはゴールドマン・サックス以上の価値が出てくると述べている。

 2年前の議論だがマコーミック氏はその際、ストライプの事業はあまりによく出来すぎているため、潜在的な死角となり得る7つのポイントを挙げている。

(1)決済がコモディティー化するビジネスであること
(2)国際展開の失敗
(3)手数料が割高と受け取られること
(4)競争の激化
(5)特定パートナーへの依存度増大
(6)パートナーソリューションが充実していないこと
(7)依拠する元の決済システムが壊れていること

 しかし、ストライプは各国における複雑な決済インフラを1つずつ、同じ体験で使えるように統合を進めている。このようなある種の「汚れ仕事」はイネーブラーとして重要な役割だが、これを着実に進めることで(1)と(2)の批判を否定できる。

 クリエイターエコノミーに軸足を置くことで手数料率はある程度維持することができるだろうし(3)、開発者にフレンドリーであるとされる同社のブランドはなかなか否定されにくいため、ある程度競争とも距離を置くことができる(4)。エンタープライズ向けのラインアップも充実し続けており、ソリューションの充実も図っていることが(5)と(6)の要素も否定する。結果的に、(7)だけが残る批判のよりどころとなるものの、より良い代替案がないため結局は弱気説を打ち消すことにつながっている。

 海外の決済プラットフォームがここまでの付加価値を作るなかで、日本は日本で、解くべき課題が沢山あるのも事実である。現状に甘んじず、また、難しい議論にもひるむことなく、さまざまなインフラ整備を進めることが急務である。