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 直近のFinTech企業の決算は、同業界に冬が訪れていることを数字で証明する格好となった。

 証券取引大手の米Robinhood(ロビンフッド)の第2四半期決算は、ピークだった1年前の第2四半期と比べて収益は43%減。4四半期連続で前期を下回る内容となった。もとより市況の低迷などを反映して株価は2021年7月の上場直後から9割近く下落し、破竹の成長を続ける暗号資産取引所のFTX Tradingによる買収もささやかれている中で、辛抱というほかない状況が続いている。

米ロビンフッドの収益内訳(ネットベース、四半期)
米ロビンフッドの収益内訳(ネットベース、四半期)
出所:米ロビンフッド2022年第2四半期決算資料より画像引用
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 ロビンフッドの収益は、63%が取引に連動する手数料から構成される。一方で23%が信用取引における貸株や金利、そして13%がその他の手数料収益だ。足元では、やや後者2つの比率が増えてきたが、同社のビジネスモデルは取引連動手数料に強く依存している。

米ロビンフッドの取引連動型手数料内訳(四半期)
米ロビンフッドの取引連動型手数料内訳(四半期)
出所:米ロビンフッド2022年第2四半期決算資料より画像引用
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 取引連動手数料の内訳をみると、ここ1年での下落幅では暗号資産の取引手数料が、2億3300万ドルから5800万ドルと75%減少したことの影響が大きい。一方で、救いと言えるのはオプション取引のボリュームがさほど低迷していない点だ。こちらは、1億6500万ドルから1億1300万ドルと下落幅は3割に留まった。

 この1年間、ロビンフッドの顧客数はほぼ横ばいだ。残高のある口座数は2021年7月末時点で2240万だったのが、2022年7月末時点で2290万へと微増したにすぎない。むしろ、口座のアクティブ率は1年前に95%だったのが、現在は61%まで低下している。

 資金の純流出こそ見られていないものの、相場低迷が影響して預かり資産額が累計の預かり額を下回る状況が発生している。大まかに言い換えれば、損失の出た口座を塩漬けしている利用者が多い状況と言える。そのような中で、オプション取引の顧客は根強く取引を続けている。ハイリスクな取引とはいえ、同社はこの領域に活路を見いだすしかないのが現状だ。

米ロビンフッドの預かり資産額
米ロビンフッドの預かり資産額
出所:米ロビンフッドの公表資料より筆者作成
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 ロビンフッドは当初、無料の株式取引サービスとして名をはせ、その後は「Pay for order flow(個人投資家中心の売買情報を機関投資家に売却する適法な取引)」による収益が批判にさらされた。これを受けて、サブスクリプション型の信用取引サービスの提供を開始。常にイメージの刷新を図ってきた印象がある。

 そんな中、一時は暗号資産取引に活路を見いだしたようだが、現在はオプション取引のブローカーとして事業が成り立っているような形となっている。