
瀧俊雄のFinTech最前線
目次
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米国で巻き起こる信用情報機関の廃止論、オバマ政権と重なる政府への期待
米国がバイデン政権に移行して以降、議論が白熱しているのが信用情報機関の在り方だ。バイデン大統領は民間3社の寡占状態にある米国の信用情報機関について、公的な機関を発足することで代替する政策案に意欲を示してきた。
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注目集めるAI規制、米国の信用スコアに日本人が抱く違和感の正体
欧州においては、AIによって自然人が勝手にスコアリングされることへの警戒心が強い。だが信用スコアの議論に限っていえば、米国が数十年も先行してきたのが実態だ。
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ライバル増への危機感と攻めの姿勢、話題の金融リポートに垣間見た英国の強さ
これはベンチャー振興政策というよりは、通商と労働力確保のための政策なのではないか――。前回紹介した「カリファ・レビュー」を初めて読んだ際、筆者はこんな感想を持った。
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英国で話題のリポートにあふれる「我がこと感」、日本のFinTech行政も学びたい
英国のFinTech行政は多くの先駆的な推進策を実行に移してきた。今回は、同国で話題のリポート「カリファ・レビュー」を軸に、国として考えるべき促進策を学びたい。
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FinTechは脱炭素社会に貢献するか、無味乾燥な金融に緑色を持ち込むススメ
二酸化炭素(CO2)の排出量実質ゼロを目指すに当たっての辛辣なリアリティと、それでも捨てるべきではない希望――。ビル・ゲイツ氏の新著“How to Avoid a Climate Disaster”は、示唆にあふれる1冊だ。
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テック企業を加速させる「SPAC」の妙味、バブルのあだ花批判は本当か
SPACとは、株式会社の形態をとるが、上場時に資金調達をするものの、18カ月以内に事業の買収を行うか、資金を返還するかが求められているプロジェクトのこと。SPACの存在が、テック業界の上場事情を変え始めている。
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「FinTechが金融機能をどう変えるか」、5年前の答え合わせをしよう
2015年、「マネーフォワード Fintech研究所」を設立するに当たり、個人的によりどころとしたのは、「Fintechが個別の機能をどう変えるか」という点だった。おりしも金融庁内で勉強会をする機会があり、その分析を共有する機会に恵まれた。
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新機軸を打ち出した「グーグルペイ」は無敵なのか、そのインパクトを検証する
米アルファベットが「グーグルペイ」の新戦略を明らかにした。注目されるのは、家計簿機能や銀行口座の提供という新機軸を打ち出した点だ。新しいグーグルペイがもたらすインパクトについて分析する。
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「APIは21世紀のATM」、電子マネーの安全確保に向けてさらなる整備を
5年後、10年後、我々が現金の代わりに手にしているのは何だろうか。現実的には、銀行口座から電子マネーをチャージして現金の代わりに決済や送金で利用していくことが、やはり王道ではないだろうか。
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金融産業のDXに立ちはだかる、インターネットバンキングの高い壁
8月の本コラムで取り上げた“DX進化論”について、様々な感想を頂いた。だが、DXが難解なものに映ってしまったとすれば本望ではない。今回はそれを柔らかく捉え直しつつ、FinTechを取り巻く最大の課題に触れたい。
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冬が訪れた融資に春を謳歌する決済、明暗分けた米国FinTechに見る未来
米アメリカン・エキスプレス(American Express)が、オンラインレンディングを提供する米キャベッジ(Kabbage)を買収することが公表された。同社の手掛ける事業の軟調さが加味されたエグジットになった。
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終着点はディストピア?それでもDXの歩みは終わらない
「DX(デジタル革命)で社会変革を進めるべきだ」――。ポストコロナを巡る社会に向けた提言には、こうした声が多い。DXに関する質問を受けることが多くなるなかで初歩的な理解を促すことも有益ではないか、と感じている。
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ベンチャーの「出生率」、エコシステムこそがカギを握る
米Mastercard(マスターカード)が、金融データサービスを扱う米Finicity(フィニシティ)を8億2500万ドルで買収すると発表した。同社の既存投資家は、業績達成次第では追加で1億6000万ドルの対価を得る権利も保有する。
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コロナ後の「9割経済」を回す新たな主役
緊急事態宣言が解除された。依然として予断を許さない状況だが、経済に晴れ間がのぞきつつある。2カ月近くにわたる経済の“ロックダウン”が人々に及ぼした心理的影響、第二波や別の感染症への懸念に鑑みると、当面の間、経済活動が元の水準を取り戻すのは難しいだろう。
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コロナ危機で際立つ、FinTech企業が今こそ大事にすべきコト
社会が大変なことになっている。今、目の前で起きている危機のさなかにおいて、FinTechが果たすべき役割が何なのか。米国の過去と現在を見比べながら考察してみたい。
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銀行運営は主目的にあらず?FinTech企業が銀行免許取得に乗り出す深層
米国のFinTech企業を調査していると、「名もなき銀行」に遭遇することが頻繁にある。今回はFinTech企業が、こうした名もなき銀行のビジネスモデルを内部に取り込もうとする動きに焦点を当てる。
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「土管」と呼んでバカにするのはやめよ、インフラは十分に競争力を持つ
FinTechの勃興に伴う銀行の在り方を議論する際、「土管化を避ける」といった表現が使われることがある。しかし今回、声を大にして伝えたいのは「土管にもイケてる事例があるし、もうかる」という観点だ。
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DX関係者は今すぐ読むべき、英中銀が「BOEリポート」で示した意外なテーマ
今回取り上げたいのは、新組織設立にも名を連ねた英国のイングランド銀行が公表した「金融の未来像に向けたリポート(BOEリポート)」である。その読みやすさと新たな世界に向けた網羅的な視点から、金融関係者にとって必読の資料と言える。話題はデータ経済やシェア経済にも及んでおり、デジタル変革に取り組む企業や…
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東洋のスーパーアプリを西洋のプラットフォーマーが追随しない理由
2019年11月のヤフー・LINE統合のニュース以降、「スーパーアプリ」が取り沙汰されるようになった。スーパーアプリとは、スマホから様々なミニアプリを起動し、モノやサービス・機能を手配・決済できるプラットフォームのことだ。