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コロナで炎上、それ本当?~計算社会科学でSNSデマを解き明かす! 6/3 18時

 日本国内でのエンジニア採用が過熱する一方で、海外エンジニアから日本企業への注目度が高まっている。その背景には、金銭的な条件や生活環境、キャリアの選択肢の多様性など、複合的な要因があるということを前回紹介した。では、彼らに自社のことを知ってもらうにはどうすればいいのか。今回は海外エンジニアへのアプローチ方法について、私たちの経験をお伝えしたい。

 ビズリーチ(現・Visionalグループ)は2019年12月にインド工科大学で行われた就職選考会に参加した。その結果、950を超える事前応募があった。前年度の自社実績と比べても大幅に増加した。

 海外では名の知れていなかった当社が、なぜそれだけの事前応募を集められたのか。きっかけになったのは、同年9月に東京で実施した「BizReach World Hackathon」というハッカソンだった。54の国と地域・3528人の応募者から選抜された、米スタンフォード大学、英ケンブリッジ大学、インド工科大学など、21校37人の学生が来日。「エンジニアの能力を可視化するプロダクト開発」をテーマに、4日間にわたり、優勝賞金1万ドルをかけてアイデア・技術力を競ってもらった。

「BizReach World Hackathon」の様子。2019年9月26日~29日の4日間、東京で開催した
「BizReach World Hackathon」の様子。2019年9月26日~29日の4日間、東京で開催した
(出所:ビズリーチ)
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海外での知名度を高めた、東京でのハッカソン

 どうして東京で開催したハッカソンが、現地インドでの認知拡大につながったのか。実はインドの就職活動は特殊で、年に1回行われる大学での採用イベントでしか就職活動ができないという制限がある。そのため、学生たちはイベントに来る企業の情報を徹底的にリサーチし、応募先を決めておくのが通例だ。

 そもそも、インドに限らず、学生たちが海外の企業情報を見つけるのは容易ではない。どんな国でも現地の学生はグローバル採用を積極的に実施している海外企業のことを知りたがっている。

 一方で、日本企業は海外に対して十分に情報発信できていないことが多い。そこで、私たちは海外に向けて自社の情報を発信することで、競争の激しい国内市場よりも効果的に認知度を高められるのではないかと考えた。

 海外のトップエンジニアに対しては、大企業であることやネームバリューがあることが採用につながるとは限らない。実際の会社の中身を見てもらい、エンジニアにとって魅力的な会社だと思ってもらう必要がある。

 地域や言語を制限せず、海外のトップエンジニアにリーチできるハッカソンという形態はこれに最適だった。世界中の情報工学系に強いトップ大学を中心にイベントの告知をし、それらをハブにして世界中にイベントの情報を広げていった。

 その結果、倍率約100倍の選考を経た本戦には、数々のハッカソンで優勝していたり、有名企業でのインターン実績があったりする学生など、技術力の高いトップクラスのエンジニアが集まった。多くのエンジニアのロールモデルになるようなトップエンジニアは周囲への影響力も高く、そうしたエンジニアがハッカソンに参加してくれたことで、周囲のエンジニア(学生)にも会社の存在や魅力が伝わった。