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 最近、ノーコード開発やローコード開発という言葉が流行している。ノーコードとはソースコードを書かない、ローコードは極力少ないコード量でそれぞれ目的のソフトを開発する手法を指す。クラウドサービスのマーケティングで用いられている言葉だという。

 筆者が所属するBASEにおいてもパートナーであるアプリ作成サービスとの連動で、顧客であるeコマース店舗専用のアプリをノーコードで実現できるというプレスリリースを出したことがある。

 さらに昨今、BASEというサービスそのものもノーコードもしくはローコードの一種としてネットショップを作ることができるサービスとして取り上げられることも増えている。

 個人的には、これらの言葉自体はバズワードとして早晩、空気のようになってしまうのではないかと思っている。せっかくの機会なので、「ローコードによってプロのエンジニアは不要になってしまうのか?」というテーマを考えてみたい。

ノーコード/ローコード登場の背景

 ノーコード/ローコードにおいて多くの人が望む論点は、エンジニアという専門職がいなくても必要なソフトウエアを開発でき、ビジネスを成功させられるか否かであろう。

 BASEというネットショップ構築サービスと、それを利用するショップオーナーとの関係性を例に取ると、BASEを利用してネットショップを運営する際の利用料は、ショップの販売に伴って発生する決済手数料と、決済に連動して徴収するシステム利用料で構成されている。それらを原資として、BASEはeコマースを円滑に開発・運営するためのショップの構築機能や決済機能を提供している。

 BASEが手掛ける仕事の視野をもう少し広げると、eコマースの開発・運営に必要なソフトをクラウドサービスとして提供するための業務全般ということになる。具体的にはハイスキルなエンジニアや成長余地の高いエンジニアを雇用し、ショップの成長を実現する機能を開発し、常に安定的な決済を実現しつづけるためのスケーラビリティーの改善、決済会社との交渉や関係性構築、サービスを安定して提供し続けるための内部統制の整備やセキュリティー維持、クレジットカード番号を安全に取り扱うための認証規格であるPCIDSSの維持継続などだ。PCIDSSに関しては子会社のPAYが担当している。

 ソースコードを書く作業はエンジニアリングプロセスの一部分にすぎない。記述したソースコードを下地に、ビジネスを安定して継続するために必要な運用を裏方で支える。これが当たり前に動くサービスを提供するのに必要な仕事である。ネットショップの運営企業が、オープンソースのECシステムのプログラムを自分達でインストールして、サーバーの管理やSSLの証明書、セキュリティーの維持などに自らコストを支払うのとは似て非なる状態を作りだしている。

 BASEを使っていただくショップオーナーは、ネットショップを維持するのに必要なシステム体制を自ら構築せずに、eコマースを始めることができる。当社はBASEを通じてビジネスを拡大しようとするショップオーナーのチャレンジを支援するため、必要なサービスを成長させるという構図でビジネスを運営している。