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 人は物を触ったときの心地良さ、悪さで様々な感情を抱く。これを利用して、触るたびにプラスの感情を抱くように製品を開発する企業も出てきている。マツダは2019年5月に販売を始めた自動車「MAZDA3」の開発で、五感のデータを駆使して心地良さを探る技術「快感テック」を活用した。

マツダが2019年5月に販売を始めた「MAZDA3」
マツダが2019年5月に販売を始めた「MAZDA3」
(出所:マツダ)
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 MAZDA3の車内には約70個のスイッチがある。快感テックを活用して追求したのは、こうしたスイッチの快適な触感だ。スイッチの研究を担当した福井信行車両開発本部車両実研部クラフトマンシップ開発グループマネージャーは「快適かつ活動的に感じる操作感を目指した」と言う。

マツダの福井信行車両開発本部車両実研部クラフトマンシップ開発グループマネージャー(右)、米澤麻実シニア・スペシャリスト(左)
マツダの福井信行車両開発本部車両実研部クラフトマンシップ開発グループマネージャー(右)、米澤麻実シニア・スペシャリスト(左)
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 同社は認知心理学で判明している知見を利用した。人間の感情を「快-不快」「覚醒-眠気」という2軸の組み合わせで分類すると、どこに位置する感情のとき、どういった心拍変動になるかが分かっている。また、スイッチを押し込む深さと反発する力の関係を表す「F-S特性」に応じて、ドライバーが喚起する感情が異なるという事実も明らかになっている。

快・覚醒を表す心拍変動
快・覚醒を表す心拍変動
(出所:マツダ)
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 マツダはF-S特性の異なるスイッチを試作し、心拍計を装着した社員約30人が操作する実験を繰り返した。MAZDA3で目指したのは、「快」かつ「覚醒」の感情を喚起させるスイッチだ。そうした心拍変動になるスイッチのF-S特性を模索した。実験では他社のスイッチも交えて検討して、徹底的にスイッチのF-S特性を探ったという。

スイッチのF-S特性
スイッチのF-S特性
マツダの提供資料を基に編集部が作成
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